とどまることを知らない韓国ドラマブーム。当記事は、ライター・小澤サチエが、韓国俳優たちの芸能事情を語ります。
前回の記事で、韓国ドラマ『ソンジェ背負って走れ』がシンドローム級のヒットを飛ばしているとお伝えしました。
今年は年明け早々にヒットした『私の夫と結婚して』も然り、過去にタイムリープする“タイムスリップ系ドラマ”が好調のよう。近年のレトロブームの影響もありそうです。
過去記事
今韓国で最も注目される俳優ピョン・ウソクって何者?『ソンジェ背負って走れ』で大ブレイク!>>
韓国ドラマの大ヒット作の中には、時空を超えたタイムスリップものの作品がたくさんあるのをご存知でしょうか。今回は私がおすすめする「タイムスリップ系韓国ドラマ」を紹介します!
2度目の人生で復讐を…ソン・ジュンギ主演『財閥家の末息子』
2022年後半のヒットドラマですが、今年の5月からPrime VideoやU-NEXTでの配信が始まり、日本ではふたたび話題になった作品。X(旧Twitter)でも「財閥家の末息子」というワードがトレンド入りしていました。
『財閥家の末息子』は、ソン・ジュンギ主演で韓国で大ヒットを飛ばした転生系の復讐ドラマ。
財閥グループに忠誠を尽くし、秘書として献身的に働き続けてきた主人公ユン・ヒョンウは、あっけなくグループから切り捨てられ、殺されてしまいます。ところが目を覚ますと、そこは1987年。しかもヒョンウの魂が乗り移ったのは、財閥グループ会長の孫、チン・ドジュンの体。
財閥家の末息子として生まれ変わったヒョンウは、スニャングループへの復讐を誓い、大逆転を企てていく……というストーリー。
転生後のソン・ジュンギが2回目の人生をやり直す過程で、激動の時代と言われた80年代後半から、現在までの韓国の歴史を見られるのが非常におもしろいです。民主化宣言やソウルオリンピック、アジア通貨危機など、当時のニュース映像とともに物語が展開していくのがとてもリアルでした。
また、激しい後継者争いの中で、転生前の記憶を利用してソン・ジュンギが見事にのし上がっていく様にもスカッとします。
本作でラブコメのイメージを完全に脱却したソン・ジュンギ、そして圧倒的な演技力で視聴者を惹きつけた、会長チン・ヤンチョル役のイ・ソンミンなど、俳優陣の活躍がとにかく素晴らしかったです!
目が覚めたらそこは98年だった…青春系タイムスリップドラマ『いつかの君に』
主演は『社内お見合い』のアン・ヒョソプと、『ヴィンチェンツォ』のチョン・ヨビン。
恋人を亡くして以来、立ち直られずにいたヒロインの元に、ある時送られてきた差出人不明のカセットテープ。それを聴きながら眠ったヒロインが目を覚ますと、そこは1998年の世界。しかも亡くなった恋人と全く同じ顔をした青年がいて……というタイムスリップもののミステリー・ラブロマンス。
最近の韓国ドラマ・映画界はレトロ系コンテンツがすっかりブームですが、『いつかの君に』も1998年が舞台で、レトロな世界観を堪能できます。
主演の2人は一人二役を演じ、時代も年齢も全く異なるそれぞれのキャラクターを完璧に演じ分ける演技力の高さには脱帽。
ただし数あるタイムスリップ系作品の中でも『いつかの君に』は、時系列の難易度がかなり高い方。いろんな時代をタイムリープするので時間軸がこんがらがってくるのですが、離脱するにはもったいない、本当にすばらしい作品です。
タイムスリップのきっかけとなるのは、古いカセットテープに入ったソ・ジウォンの「涙を集めて」という楽曲。こちらは実際に韓国で当時ヒットした歌で、90年代らしい懐かしさ溢れる旋律と歌声が心をくすぐります。
劇中ではこの歌が何度も何度も流れ、歌を聴くと自分まで一緒に過去にタイムスリップしそうな不思議な感覚にだんだん陥っていきます。それほどに没入感が高いドラマで、見終えた後の余韻も半端ない……! 涙なしには見られない、感動系タイムスリップドラマです。
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