結婚式の初夜。花嫁を襲った地獄とは...
「結婚準備を始めたものの、私にはプレ花嫁のウキウキ感などは一切なく、むしろ気持ちは憂鬱でした。その憂さ晴らしに、せめて結婚式は完璧にしなくてはと必死になり、ウェディングプランナーに勧められるまま課金し始めました。
今思えば無駄なオプションを次から次へと付けて、結婚式費用の総額は1000万円を超え……そのお金は、父が払いました」
美保さんのお話を聞いていると、お父様は癖の強い男性で、ひょっとすると何か問題が隠れているのでは? と少々疑ってしまいますが、現在に至るまで父親と娘の関係はごく円満。親子関係に問題はなく、家族は皆仲が良いそう。
お父様はおそらく本気で、大事な一人娘は20代のうちに身元のしっかりした、経済力も安定した男性と結婚するのが幸せだと信じていたのだと思います。
「そして、結婚式の夜、初夜を迎えたんですが……。
あの、うちが色々と子どもに対して押し付けが強い、少し変わった家庭なのはもうお分かりいただいていると思うんですが、実は母親は性に関してすごく厳しい価値観を持っていて、私は結婚するまで性行為は禁止されて育ったんです」
ここにきての発言に少し驚き、筆者は一瞬言葉を失ってしまいました。要は元夫との交際中、彼と美保さんの間に身体の関係はなく、さらに美保さんにはセックスの経験がなかったのです。
決して悪いことではありませんが、現代では比較的珍しいと感じます。
「母はクリスチャンだったこともあり、結婚前にセックスをすると穢れる・破滅するという話を散々聞いて育ちました。なので、欲望を我慢して嫌々親の言いなりになるわけでもなく、その教育ゆえに身体が性的なことを受け付けないまま私は大人になったんです。
それでとうとう結婚式の日に初体験をしたんですが……あれは、最悪の一言でした。
元夫はいよいよと張り切る一方で、私の身体はまったく反応せず、精神的にも身体的にも酷い痛みと気持ち悪さ、何より恐怖しかなかった。でも結婚式の日からそれが毎晩続き、本当につらすぎて……」
人生で初めての経験に怯え戸惑う美保さん。当時はなす術もなく「これが妻の義務」として苦痛に耐え元夫を受け入れ続けるうち、なんと心身に支障をきたしてしまうのです……。
来週公開の続きの記事では、セックスの苦痛に心身を病みながらも我が子を授かった喜び、しかし産後に夫のマザコン気質が判明し、離婚を決意するまでの過程を詳しく伺います。
写真/Shutterstock
構成/山本理沙
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