6月22日から8日間にわたり、天皇皇后両陛下が英国を公式訪問なさいました。本来故エリザベス2世がまだご存命であった2020年に予定されていた国賓訪問でしたが、ご存知の通りCovid-19の影響をうけ延期に。この度、新国王チャールズ3世の招請を受けられ、両陛下にとっては4年の月日を経て、ついに実現に至りました。
英国王室の国賓としての公式訪問は、25日から27日までの3日間でしたが、その日程を中心に、前後には思い出の地を含む様々な場所を御訪問された天皇皇后両陛下。終始笑顔が絶えることなくリラックスされたご様子で、王族の皆様や政府関係者はもちろん、現地の人々とも交流をされながら、実りのあるお時間をお過ごしでした。
そんな中で、やはり私が注目したのは外交ファッション。天皇陛下の即位後初となる海外ご訪問において、皇后雅子さまがどのようなロイヤルスタイルで臨まれたのか、合計7スタイルを全解説するとともに、ホスト役である英国のカミラ王妃も、どのようなメッセージと敬意がファッションに込められていたのかを紐解きます。
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英国へ出発、御到着スタイル スカイブルー×白のワントーン・コーディネート
日本を出発された際、そして英国はスタンステッド空港に到着された際の天皇皇后両陛下の装いがこちらです。天皇陛下がお着けになっている綺麗なブルーのタイと合わせて、皇后雅子さまのお洋服もブルー。天皇陛下ご一家の定番カラーでもあり、ロイヤルツアーがスタートといった意味も込められているのでしょうか、ロイヤルスタイルの鉄板ともいえる色を選ばれました。
ブルーをベースに、ショールカラーの襟やウエスト部分に施されたボウの結び目など、白がアクセントになったジャケットとワンピースのアンサンブル。シルクシャンタンのようにお見受けする、張りのある上質素材だからこその光沢とお色がとても美しいお洋服でした。
クラッチもお洋服と同様、ブルーと白のバイカラーのエンベロープ形で、手には白のグローブもお持ちになっています。更に靴も、スエードのブルーグレーと、少しトーンを抑えつつも同系色で合わされ、全体的に落ち着きのある、皇后雅子さまらしいワントーンのコーディネートを見せて頂きました。
私個人の感想として、ウエスト部分のボウという甘さのあるモチーフが意外でしたが、それ以外、日本のロイヤルスタイルらしさを感じたのが、ブルーの色味。
同じブルーでもスカイブルーに近い、濃すぎず薄過ぎず、出過ぎず、存在感を示す、絶妙なトーンのブルーが、まさに我が国日本を象徴しているように思えました。
また印象的だったのが、ふくらはぎ丈のタイトスカート。最も高度ともいえるスカート丈ですが、ジャケットとのバランスがよく、引きで見ると、首から下のバランスが、「ジャケット3.5:スカート4.5:御御足2」と、スタイルが良く見える比率になっていました。
そして小物やジュエリーも、象徴的なものを合わされていました。
まずは、皇后雅子さまのアイコニックなハット型のお帽子です。やはりこちらも白にブルーが効いたバイカラーで、ブルーのリボンは、どうやらお洋服と同色、同素材のものが使用されているようです。ツバの部分を見ると実はストロー素材と、夏向けの素材で作られていることもわかります。
気になるジュエリーはというと、やはりパール! 一連のパールネックレスは襟の開きと長さがピッタリ合っており、更にスタッズ型のイヤリングは、一粒の大きなパールの周りをダイヤモンドとサファイアが彩っています。一見見えないけれど、実にさりげなくお洋服の色に合わせた色の宝石が輝いていたのです。
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