水中に潜っている感覚に至る境地
ーー「芝居をしていて、集中して周りが見えなくなって、目の前の人だけの世界が見えているとき」があるとおっしゃっていましたが、それはどんな感覚なんでしょうか。その境地に入るために何かしていることはありますか。
木戸:まだ打率は低いなと自分の中で思っています。『First Love 初恋』のときに、(満島)ひかりさんが「水中に潜ってる感覚」っていう言い方をしていたんです。いわゆる周りの音が聞こえない、っていう状況。そういう状況を作れたら役者は強いよねっていう話をしてくださったんです。炎天下の中、匍匐前進をしなきゃいけないというときがあって、自分の体が限界を迎えてるから、ギリギリの状態になって、そのときに初めて、そういう感覚になれたんです。だから今後、自分でそういう状態を作っていくってなったときに、経験を活かすんだったら、体の状態を役の状況に近づけるために、めっちゃ走って、息が上がってるときはその状態に入りやすくするための準備をする。そういう状態作りみたいなところですかね。
経験を積んだからこそ、周囲へのリスペクトを忘れない
ーー俳優として、人間として今後どうなっていきたいですか。
木戸:お芝居だけでなく、いろんな経験をさせてもらってきた7年間の中で、経験を重ねてきたときほど、人との関わりだったり、人への感謝だったり、初心みたいなところって、忘れちゃいけないなっていうのはすごく思います。俳優としてのお芝居っていう部分でも、作品ごとに毎回毎回新鮮な気持ちで現場に行くっていうこともそうですし、人間としても、やっぱり毎回新しく出会うスタッフさんたちや共演者の方へのリスペクトは、初めに持っていた感覚を忘れちゃいけないなっていうのは、経験を重ねてきているからこそ思います。
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