人間の欲望と謎が絡み合うヒューマン政治サスペンス『笑うマトリョーシカ』(TBS系)。現在、第2話まで放送されているのですが、これがもうとにかく面白い!
最初は、政治家がどんどん裏の手を使ってのぼりつめていく下剋上ものかな? と思っていたのですが、まったく違っていて。まるで『あなたの番です』(2019年・日本テレビ系)を観ているんか? と思うくらいにゾワゾワするんです。これは、夏の夜にぴったり! ということで、ゾワゾワポイントを振り返りながら、物語の考察をしていきたいと思います。
ゾワゾワポイント①
櫻井翔の不気味すぎる笑顔
43歳の若さで初入閣した厚生労働大臣・清家一郎を演じているのは、櫻井翔さん。清家は、印象的な笑顔とリベラルな言動で国民から抜群の人気を誇る未来の総理大臣候補。しかし、すべてが完璧すぎてどこかAIのような不気味さがあるんですよね。
第1話では、記者の前で話すコメントを事前に秘書の鈴木(玉山鉄二)から渡され、それを完璧に暗記している姿がありました。もしかして、清家って鈴木に作り上げられた虚像のようなものなの? すべてを操作されているから、自分の考えがないのかしら……と思いましたが、出会って間もない道上(水川あさみ)の影響も受けているんですよね。
道上が訴えた「親族里親」制度の話を、まるで自分の言葉かのように会見でつらつらと語っている姿を見て、鈴木だけでなく誰の意見でもスポンジのように吸収してしまうんかい! とツッコミを入れながらも、ゾワっとしました。また、道上の耳元で「これからも、僕を見ていてくださいね」と囁いたときの表情は、闇堕ちver.の清家を見てしまったようでさらにゾワゾワ。
櫻井翔さんの何かを企んでいるかのような笑顔は、2013年放送のドラマ『家族ゲーム』(フジテレビ系)を彷彿とさせます。笑っていても、目の奥は笑っていない。心の奥では何を考えているの? と思わせる不気味な笑顔。爽やかな正統派アイドルとしてお茶の間を虜にしてきた櫻井さんが演じるからこそ、クリーンな清家に説得力が生まれるし、闇堕ちver.の清家にはゾワっとすることができる。マトリョーシカのように本当の顔を隠していそうな清家の動向には今後も注目です!
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