新宿・歌舞伎町を舞台にした救急医療エンターテインメント『新宿野戦病院』(フジテレビ系)。ホストやキャバ嬢、ホームレス、トー横キッズ、外国人難民などさまざまなバックボーンを持つ“ワケアリ”な登場人物たちが交錯する社会の構図をテーマに、“クドカン”こと宮藤官九郎さんがユーモアを織り交ぜながら、物語を紡いでいます。今のところはおふざけシーンが多いですが、これからどんどん医療ドラマっぽさが出てくるようで。どのような展開になっていくのかが楽しみ!
1月期放送の『不適切にもほどがある!』(TBS系)もそうでしたが、クドカン作品ってふざけているように見えるけど、的を射ている台詞が多いんですよね。それも、説教臭く言うのではなく、おちゃらけて言うからこそ、逆にスーッと胸に入ってくる。
たとえば、『新宿野戦病院』の舞台となる聖まごころ病院には、性別不詳の看護師長・堀井しのぶ(塚地武雄)がいて、同僚の男性陣が「あの人って男だと思う?」「女だったりして」なんて小バカにしたようなトークを繰り広げます。
これって、今の時代に炎上してしまうのでは……? と少し不安がよぎりましたが、最終的に「堀井さんの気持ち次第だと思う。男か女か、それは堀井さんが決めることで、俺たちが決めるなんて傲慢なんじゃないかな」と医師の横山(岡部たかし)が言ったことで、みんな「たしかにな〜」と納得。この流れを見たとき、“クドカン節”が出ているなぁと思いました。
クドカン作品に登場する男性陣って、わりと自由奔放でふざけたタイプの人が多い気がするのですが、他人の心を傷つけるようなことはしない温かさを持っている。令和で求められる“いい人”ではないのかもしれないけれど、こういう優しさの形もあるよな……と考えさせられます。
Comment