産後の妻の負担を減らすべく“外泊”する夫
「産後に失望したエピソードはいくらでも出てくるんですが、そもそも元夫は月の半分も家にいなかったと思います。『美保は忙しいと思うから実家に泊まっててあげるね。俺のことは気にしないで』と、要は俺の世話をしないなら楽だろ? と、まるでそれが私への厚意のように実家に入り浸っていました」
夫は、新米ママである妻と育児を分担する気持ちは全くなかったそうです。むしろ外泊すれば妻の負担が減るくらいに考えていたよう。
「あと、やっぱり私は元夫を好きになれないと実感した出来事があります。産後に知人友人から頂き物をすることが多かったんですが、食べ物は消費し切れないからお互いの両親にあげようという話になり……。
義両親は和菓子が好きで洋菓子は食べないというので、ざっくり和菓子と洋菓子をわけておいたんです。彼は直接実家に持って行く用の袋と、私の両親用は郵送用のダンボールで。その洋菓子の一つに母の好きなメーカーのクッキーがあり、『これママが大好きなんだよね』なんて言いながら梱包して、翌日に郵送したんです」
「でも、母からお礼の電話が来たときにクッキーの話題を出すと、それは届いてないと。おかしいと思い元夫に聞いたら、なんと『美保のママが好きならうちの母親も好きだと思ったから、もらった』と……。
私が知らない間にダンボールを開けてクッキーを奪ってたんですよ。驚きました」
当初、元夫は美保さんのタイプではないものの、悪い人ではない。またお二人の相性も良くないのだと予想していました。もっと言えば、妻に愛されない元夫に同情するような気持ちも多少ありました。
ですがお話を伺ううち、元夫は妻に嫌われる理由もしっかり持ち合わせていたのだと理解しました。わかりやすい攻撃性はなくても、パートナーに寄り添う気持ちや想像力がかなり欠けている印象です。
「決定的だったのは、娘が生後2ヵ月でRSウィルスに感染し、酷く体調を崩したときです。赤ちゃんは鼻水を自力で出せず、詰まってしまうと窒息の可能性もある。だから予防策として、夜もなるべく授乳をしていてくださいとお医者さんに言われ、娘の看病に必死になっていたとき。彼はまたあっさりと『大変そうだから俺は実家に帰るね』と言ったんです。
でも私は娘が心配で睡眠もままならない状態で、さすがに1人では不安だから一緒にいて欲しい、一緒に看病をして欲しいと、このときばかりはかなり食い下がって頼みました。でも、『ごめん、ママと約束したから』と、元夫はやはり実家へ行ってしまったんです」
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