スタイリスト佐藤佳菜子さんの私服コーディネート企画、第3回目のテーマは「今まで避けてきた服」。長年「似合わないものは着ない」と決めていた佐藤さんの心境の変化とは? 大人が取り入れやすい色もの&ロゴT選びのコツと合わせてお話をうかがいました。
今まで似合わない服は積極的に避けてきたけれど……
「今、私に付いてくれているスタイリストアシスタントは20代前半。手取り足取り教えないといけないし、もっと社会人経験豊富な人にアシスタントに付いてもらった方が楽なのかもしれませんが、あえて若い人を育てることに挑戦しています。彼女たちが持っているエナジーや独特の文化に触れることはやっぱり刺激になるし、若い人と向き合うことが自分自身の成長にも繋がっている気がするので。
それは苦手な服に挑戦するのと同じこと。職業柄いろんな服を自由に着ているように見えるかもしれませんが(笑)、若い頃は特に、目指すクオリティに到達しなさそうなアイテムには初めから手を出さないようにしていたので、この歳になっても実は着たことのない色やデザインの服が結構たくさんあります。
苦手な服を今さらあえて着る必要はないかもしれないけれど、自分にとって簡単じゃない服に挑戦する面白さに気づき始めて、最近は色ものやロゴTなど、今まで積極的に手を出してこなかったアイテムに少しずつチャレンジしています」
今、色を着るならパステルカラー。顔映りがよく、大人を優しく見せてくれます
昔から色もの、特に淡い色がずっと苦手で、パステルカラーの服なんて着たことがありませんでした。でも年を取ってきたらパステルカラーが実は似合うんじゃないか? と思うように。鮮やかな赤やピンクなど、強い色を私が着るとどうしてもクセの強い人みたいになってしまうのですが、パステルカラーは白っぽい色が混ざっているので顔映りがいいし、日焼けした私の肌にも合うし、どこか幸せそうに見えるかなと思って。
ボトムスにベージュやグレーを合わせればさほどコントラストが強く出ないので、勇気を出さずとも着られるんです。今も自分の中では着れる色着れない色、いろいろありますが、色を着るならこれからはパステルにしようと思っています。
メッセージ性の強くないブランドロゴなら、苦手なロゴTも取り入れやすく
ロゴTもずっと苦手で、そのメッセージ性の強さを受け止められず、いくら巷で流行っていても私には選べないアイテムのひとつでした。別にこの歳になって無理してロゴTを着なくてもいいんですが、似合うものを探すまでに手こずる感じが面白くて、あえて挑戦してみることに。
90年代っぽいカルバンクラインのロゴTならメッセージ性が強くないし、ロゴのサイズも小さめなのでさりげなく着られる気がしています。
※掲載アイテムで価格が入っていないものは本人私物です。
撮影/長谷川怜実(S-14)
着用・スタイリング/佐藤佳菜子
ヘアメイク/日高 咲(ilumini)
構成・文/堂坂由香
第1回「「自分には似合わない」という思い込みを手放したらおしゃれがもっと楽しくなった!大人が履きやすい「ハイテクスニーカー」ってどんな色?【スタイリスト佐藤佳菜子】」>>
第2回「服も仕事も「離れたからこそ分かる良さ」がある。ボーダーを今年らしく着るなら何と合わせる?【スタイリスト佐藤佳菜子】」>>
第4回「本物の名品はそう簡単には見つからない。「カオス」のセットアップが名品である理由とは?【スタイリストの名品論】」>>
第5回「おしゃれが停滞したら「若者っぽいアイテム」を取り入れてみる。「短丈トップス」「ショートパンツ」を40代が素敵に着こなすコツは?」>>
Comment