本物の名品はそう簡単には見つからない。「カオス」のセットアップが名品である理由とは？【スタイリストの名品論】 | スタイリスト佐藤佳菜子おしゃれも生き方も。新しい自分に出会う夏 | mi-mollet（ミモレ）

名品と呼ばれているものはたくさんあるけれど、それが万人にとって当てはまるとは限らないもの。自分にとっての名品を見つけるためのヒントを、佐藤さん的名品アイテムと合わせて教えていただきました。

誰かに聞いた情報だけで名品なんて見つからない

「最近よく思うのは、最初から結果が分かっていることなんてない、ということ。例えば遊びで続けていたインスタの質問箱が結果的に、少し前に自分で始めたオンラインショップの参考になっていたりもします。

今はちょっと調べればすぐにたくさんの情報にアクセスできるから、つい何でも分かった気になってしまいますが、本物は経験の中にしか存在しないもの。よく「名品を教えてください」と聞かれたりもしますが、最初からそれが名品かどうかなんて分からないし、高価だからとかみんなが名品だと言っているからといって、それが自分にとっての名品とも限りません。

実際買って着てみて、失敗を重ねる中で見えてくるものが、その人にとっての名品なんだと思います」

旅行に、犬の散歩に。ゆるっと見えないカオスのセットアップは隠れ名品

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シャツ、タンクトップ、パンツ／カオス　靴／ヴァンズ

KANAKO’S コメント　
私は基本的にリラックス着みたいなものが好きじゃないのですが、昨年買ったこのカオスのセットアップは着心地がいいのに全くだらしなく見えなくて、旅行とか犬の散歩とか、とにかくすごくよく着たんです。この手の服って2、3回着たらダレてくるけれど、これはそんな心配もなく。シャツを羽織ったりGジャンやジャケットを羽織ったりアレンジもしやすいので、地味なアイテムではあるけれどこれは名品だなと思って、今年は色違いを買い足しました。

ちなみに私は首周りが開いている方が好きなので、タンクトップは前後逆に着ています。

一生手放すつもりはない、ドリスヴァンノッテンの柄スカート

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本物の名品はそう簡単には見つからない。「カオス」のセットアップが名品である理由とは？【スタイリストの名品論】_img3

シャツ、中のタンクトップ／プルミエアロンディスモン　スカート／ドリスヴァンノッテン　バッグ／メゾンカナウ　靴／ポルペッタ

KANAKO’S コメント
ドリスの服はモードだし、大抵のものは私が着れるようなデザインではないけれど、何年か前にふらっとお店に入ってセールで買ったこのスカートは、めちゃくちゃ穿いてます。

ポコポコした素材は体型補正力があって形も好きだし、長くも短くもないスカート丈はトレンド感も全くないけれどなぜか私の体にしっくりきていて、本当は柄スカートなんて苦手なのに、なぜかすごく出番があるんです。タンクトップ一枚と合わせても、ざっくりしたニットやスウェットと着てもいいので季節問わず使えて、こんなに穿いたスカートは他にないくらい。

セールで買った、ベーシックでもない柄スカートを一般的には名品とは言わないかもしれませんが、一生手放さないという意味で、このスカートは私の中で間違いなく名品です。おばあちゃんになったらパールのネックレスとカシミヤのニットを合わせて着ても可愛いかな、なんて思っています。

※掲載アイテムで価格が入っていないものは本人私物です。

撮影／長谷川怜実（S-14）
着用・スタイリング／佐藤佳菜子
ヘアメイク／日高咲（ilumini）
構成・文／堂坂由香