「昔はよく着ていたけれどしばらく着なくなったアイテムを、年齢を置いて再び着るのが今また楽しい」というスタイリストの佐藤佳菜子さん。昔のまま着るのではなく、今の年齢にフィットした着こなしやアイテム選びについてうかがいました。
ボーダーTシャツもスタイリストの仕事も。一度離れたからこそ良さが分かる
「いつだって堂々とスタイリストの仕事をしているように見えるかもしれませんが(笑)、実は結婚を機にスタイリストの仕事を辞めていた時期があります。そのときはスタイリスト以外をやってみたいなという気持ちも心のどこかにあったし、自分のためだけに生きるのに少し飽きていたのかもしれません。
再びスタイリストの仕事に戻るなんて絶対に無理と思っていたのですが、色々あって日本に戻り、お世話になっていた仕事関係の方々に「申し訳ありません、もう一度やらせてください」と頭を下げて、今は腹を括って恩を返すような気持ちで仕事をしています。
仕事から離れてみて感じたのは、働かないと自分に自由がないということと、こんなにも熱心に飽きずにやり続けていることって服以外にないということ。仕事中もずっと洋服を見ていて、仕事が終わってからはオンラインショップをずっと見ていて、ちょっと時間が空いたら近くのショップを見に行って。こんなに飽きずにやっていることって人生で一つしかない(笑)。
それっておしゃれも同じことで、いろんな服を着ては飽きてを繰り返していますが、それでも年齢を置いてからまた着てみると、良さが分かって再び新鮮に感じるアイテムがあります。例えばボーダーカットソーやGジャンなど。もちろん若い頃と同じ着方はしないけれど、最近はそんな自分の中の復活アイテムを着るのが新しくて楽しいんです」
ボーダーは定番のデニムではなく、今年買ったハーフパンツと合わせるのが今の気分
ボーダーって年を重ねるにつれてだんだんと難しくなってきますよね。ボーダーTシャツはアニエスべーのものが20代の頃からずっと好きで。必ず白と黒のサイズ1しか買わないんですけど、着ない時期があっても、忘れた頃に「あれ着たい!」と何度も買ってきたアイテムです。最近はずっと着ていなかったけれど、すごく久しぶりに買ったら、着心地のいい生地、ベーシックな形、首元が白くて顔周りを明るく見せてくれるところ、全てが大好きで、改めて良さを実感しました。
昔はボーダーにデニムを合わせて着ていましたが、ボーダーTシャツ自体が定番アイテムなので、今の自分は少しキャッチーなアイテムと合わせた方が新鮮に着られる気がして、今年買ったハリのある素材のハーフパンツと合わせました。秋になったらすごく太いウールのパンツと合わせて着るのも面白いかもしれません。
ずっとご無沙汰だったGジャン。短丈×ボリューム袖デザインなら今っぽくて再び新鮮に!
Gジャンは大学生くらいのときは好きでよく着ていたけれど、だんだんと似合わないと思うようになってそれ以来全然着ていなかったアイテムです。数年前にビッグGジャンが流行ったりしたときも私にはピンとこなくて試しに着てみても似合ってないなと思っていたのですが、最近このGジャンを見つけて、すごくコンパクトでちょっと着てみたいと思って。
短い丈とボリューム袖のアンバランスさが面白くて、サラッと羽織るだけで今っぽくなる。Gジャンってやっぱりいいなと思いました。もちろん全身カジュアルに着るのではなく、こんな風にウールのパンツとか大人っぽいアイテムに合わせて着ようと思っています。
※掲載アイテムで価格が入っていないものは本人私物です。
撮影/長谷川怜実(S-14)
着用・スタイリング/佐藤佳菜子
ヘアメイク/日高 咲(ilumini)
構成・文/堂坂由香
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