現在、忠相は17歳、影元は15歳で、2匹とも立派なシニア猫。彼らには何でもやってあげたいと思う一方で、人間が猫にしてあげられることは少ないと感じています。彼らはもういい年ですし、“余生”をよりよく生きてもらいたいから、無理はさせず、好きなものを与え、のんびりと過ごしてもらっています。とにかく構ってちゃんたちなので、私は毎日、彼らに構いまくって、甘やかしまくっています。
私もそうでしたが、「この子だと思ったら、それが運命」とつくづく思います。猫に出会って、そう思ってしまったのも何かのご縁、長く一緒にいるうちに、どんなことも受け入れられるようになるはずです。
私は行政書士として、“人とペットの生活を支える相談窓口”として「ペットの信託」「ペットへの持参金について」「ペットに関する遺言書・見守り契約」など、さまざまな相談に乗っています。
最近、高齢者とペットが社会問題になっていますが、飼い主の老後や死後に備えてできることはたくさんあります。また、飼い主が高齢でなくても、一人暮らしでも万が一のリスクがあります。そのため、いざという時に猫の世話をしてくれたり、場合によっては引き取ってくれるような横のつながりを構築しておけると安心です。
家猫の寿命は伸びていて、20年以上生きることも珍しくはありません。私たちも年齢を重ねていきますので、これから新しい猫を迎え入れたくても、猫の寿命のことを考えて断念している人もいるのではないでしょうか。そんな人には、猫の預かりボランティアをする、シニア猫を迎え入れるといった選択肢があります。こうした方法も、不幸な猫を一匹でも減らす助けになることでしょう。
猫たちと過ごして、気づけばもう四半世紀。忠相と影元にのびのびと余生を楽しんでもらいつつ、「うつせみ猫語り会」の活動や、人とペットにまつわる相談に乗るなど、猫のために自分にできることを続けていくつもりです。
文・編集/吉川明子
前回記事「高齢独居女性が認知症になり、猫の世話ができなくなった! そんなシニア猫を迎え入れるまで。【シニア猫のお話】」>>
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