アメリカ大統領選まで残すところ約100日というタイミングで民主党の候補だったバイデン大統領が辞退し、急遽後継者として指名された、カマラ・ハリス副大統領。突然の交代劇にも関わらず、ロイター/イソプスの世論調査では、共和党候補のトランプ前大統領を2%上回る支持率となり、人気の高さが伺えます。
そんな中、セレブたちも続々ハリス副大統領支持を表明。ビヨンセはハリス陣営が選挙戦で自身の楽曲『フリーダム』を使用することを許可し、22日にハリス氏が選挙対策本部を訪れた際にこの曲が流れました。2020年の“Black Lives Matter”デモでも使用された、ケンドリック・ラマーとのコラボによるパワフルなこの曲は、支援者たちの士気を煽るのにとっても効果がありそう。
Kamala Harris shares first ad for her Presidential campaign, featuring Beyoncé’s ‘Freedom.’pic.twitter.com/N0fDFjMZcB
— Pop Base (@PopBase) July 25, 2024
ビヨンセはハリス支持を正式に表明したわけではありませんが、これまでも民主党候補を支持。母親のティナ・ノウルズはインスタグラムで同氏のサポーターであるというコメントを投稿しています。
Z世代からの支持が高いハリス氏ですが、その発端は、彼女がある集会で母親から言われたと明かした「あなたは自分がココナッツの木から落ちてきたとでも思っているの? あなたはあなたの周りで起こったあらゆることによって生かされているのよ」というセリフ。この言葉をはじめとするハリスの言動を編集したTikTok動画などが拡散された結果、“KHive(Kハイブ)”というZ世代のサポーターたちを生み、皆がココナッツの絵文字で連帯を示すというムーブメントに。
さらにはイギリスの歌手チャーリーXCXが、5月にリリースしたアルバム『brat』にちなんで、ハリスのことを「カマラはbratだ」とツイートしたことが追い風になって、SNS ではにわかなハリス旋風が巻き起こっています。
kamala IS brat
— Charli (@charli_xcx) July 22, 2024
「brat」とはもともと、“手に負えない子ども”などの意味を示すスラングでしたが、現在Z世代からは「自分軸で生き抜くためには人と違う行動を取ることも辞さない、自信のある人物」というポジティブな意味で使われる、人気の言葉なんだとか。
つまりZ世代の理想の人物だというイメージが、SNSで盛り上がっている状況なのですね。
さらには民主党支持者で知られるジョージ・クルーニーがCNNの取材でハリス副大統領支持を表明したほか、歌手のオリビア・ロドリゴがインスタグラムのストーリーで彼女を応援していることを投稿。ジェシカ・アルバもハリスとのツーショットをシェアして、「私はあなたと一緒に乗るわ。あなたが歴史を作る熱い瞬間に興奮しています」とコメント。
そんな流れの中、トランプ氏が共和党の副大統領候補に指名したJ.D.バンスが、2021年にTV番組でハリス氏など出産経験のない民主党の女性たちを「子どものいない惨めな人生を送るキャットレディ(風変わりな女性のこと)」と中傷していた動画が掘り起こされ、民主党には、まさに追い風が吹いている状況と言えます。
スタッフの離職率の高さや就任してから目ぼしい成果がないこと、また、政界の重鎮との不倫を踏み台にのし上がってきたという噂もあるハリス氏。2022年1月の世論調査では支持率が30%を割り、アメリカ史上最も不人気な副大統領となってしまったけれど、SNS戦略によって、アメリカ史上初の女性大統領誕生となるのか。
11月の米大統領選の行方は、まだまだ見えそうにありません。
前回記事「パリ五輪をリアーナらハリウッドセレブのブランドがサポート。地元フランスのセレブは?」>>
- 1
- 2
Comment