卵巣がんの種類で日本人に多いのは明細胞がん


「卵巣がんには進行の速度が異なる2パターンがあります。

ひとつは漿液(しょうえき)性がん。世界で一番多い卵巣がんで、進展がすごく早い。発症するとほんの数ヶ月で大きくなる可能性があるので、定期検診で初期に見つけることは難しいです。お腹に水がたまった、お腹に圧迫感があるといった自覚症状が出た時には、腫瘍が相当大きくなっていて、いざ受診するとステージ3期、4期になっているパターンが多いです」

友人もお腹がはると病院へ行き、検査を受けた時には卵巣がんステージ3期でした。

 

「もうひとつは、明細胞がん。こちらはアジア人、特に日本人に多くみられます。子宮内膜症からのがん化が多く、ゆっくりと進展していくのが特徴です。子宮がん検診や超音波で、卵巣がちょっと腫れているなどの異変をキャッチすることが可能です。ただ、明細胞がんの怖いところは、早期に適切に手術ができずに進展してしまっていると、再発や転移を起こしやすく、抗がん剤・化学療法が効きにくいことです」

どちらのタイプのがんなのかは、病理検査をしなければわかりません。ただ、進行が遅い明細胞がんは検診で見つかる可能性は十分にあるので、定期的な婦人科検診が大切です。