卵巣がんで治療の第一選択肢は手術。


卵巣がんのタイプで治療法は異なるのでしょうか?

「どちらも最初の手術がとても重要です。腫瘍を最大限に取り切るため、長時間かかります。最初に抗がん剤治療を行って、腫瘍を小さくしてから手術をすることもありますが、今のところやはり初回手術で腫瘍を全部なくすというのが一番予後がよい方法です」

私がショックを受けた「種をまくように広がるがん」についても聞きました。

「播種は卵巣がんの特徴的な広がり方です。お腹の中の細胞を包んでいる腹膜の上に、がんの腫瘍が種をまいたように散らばっていきます。最初は目に見えないほど小さいがん細胞なのでみつけることができませんが、細胞分裂を繰り返し大きくなって目に見えるようになると、腹部膨満感、便秘、腹痛、吐き気、嘔吐などの自覚症状が出てきます。特に漿液性がんに多いです。進展のスピードが早いので開腹した時には、手の施しようがないことがあります。

 

それを避けるために、初診の段階で卵巣がんが進行している症例では、すぐに腹腔鏡でお腹の中を見て、手術が可能かを審査します。もし、がんが広がっていて、腸管などへ播種してるような状態の場合は、化学療法から行い、その後に手術をします」

卵巣がんの治療のために、どのように病院を選べばいいのでしょう?

「まずは標準治療をきちんと受けることが重要です。卵巣がんも治る場合もありますし、半分は再発する可能性がありますが、再発してからも薬を使いながら、長生きできるようになっています。卵巣がんの治療ガイドラインも普及していますので、多くの医療機関で標準治療を受けられると思います。ただ、手術が重要なので、できれば症例実績の豊富な大きな病院を選ぶといいでしょう」