セカンドキャリア=ライフワークがいい理由
そして、ミドル世代にとって、昔はあまり考えなかった“もやもやポイント”の1つに、「結局、私、何歳まで働くの?」というのがあります。
まだリアルではないけれど、若い頃に比べると明らかに、現実味を帯びてきたこのもやもや感。これもまさに、冒頭の「何のために、働きたいですか?」に通じるところのようです。
「何歳まで働くかは、雇用されている人の方が不安になるかもしれません。60歳とか65歳とか目に見える退職の基準がある場合が少なくないですから。
一方、フリーランスの方とお話していると『80歳までは働きます』とか『いけるところまで』などあまり年齢を気にしていない人が多い印象です」(合田さん)
60代以降はいわゆるセカンドキャリア。その後の仕事がライフワークになっているかどうかで、気持ちの面でも大きく変わってくるということですね。
「例えば、先述の書道の先生の場合も、すぐに本業にするのではなく、日曜日だけ公民館を借りて、副業として教え始めてみる。それが60代になって雇用されなくなったときに、ライフワークとして本業として活きてきます」(合田さん)
個人のスキルや趣味を活かしたライフワークが、すぐに思いつかない人もいるでしょう。そんな人も大丈夫。これからの仕事選びの視点を変えるだけで、選択肢は広がっていきます。
「雇用される形で仕事をする場合、単純作業で頭を使わない方がいい、とか、楽で時給もいい仕事がしたいという選び方ももちろんあると思います。しかし、これから先も働くことを考えるとき、自分が成長できるかどうかは仕事選びの大きなポイント。
派遣社員で今まで同じ職種で働くとしても、例えば、働き先を今まで業種として経験したことがない税理士事務所にするだけで、税金の知識を得ることができます。何を成長と捉えるかは人それぞれですが、プラスαで何か得るものがあるのは今後の可能性を広げてくれます」(合田さん)
成長は、別に若者だけの特権ではありません。
60代以降、何をしているかわからないからこそ、雇用されながらでも、副業でも、フリーランスでも、今からライフワークを見つける第一歩を踏み出しておいて損はなさそうです。
構成/佐野倫子
イラスト/Semo
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