成功者の多くが「内向型らしく」生きている
内向型が苦しんでしまう本当の原因は「内向型だから」ではなく、内向型なのに「無理に外向型を演じようとしてしまう」ことにあるのです。
それも無理はありません。
現代の「外向型がもてはやされる社会」に生きていたら、誰だって「外向型みたくなろう」と思ってしまうのは当然です。特に1990年代くらいから、モノづくりの時代は終わり、ハードからソフトの時代になっていきました。それとともに、就活ではやたらに「コミュニケーション能力」と言われるようになり、今ではSNSなど自ら積極的に外にアピールするツールが中心になってきています。
一方、内向型にしてみれば生きづらい時代です。
内向型は積極的に自分を知ってもらいたいとは思いません。自分が自分のことを理解して、幸せであれば良いと考えます。自分を売り込まなければいけない時代では大きなハンデを背負います。近年、特に苦しんでいる内向型が多いのは、この「極端すぎる外向型社会」が生み出している弊害なのです。
多くの内向型は、かつての私のように、周囲に惑わされて自分を偽り、「外向型のふり」をすることで失敗してしまっています。
一方で、社会を変えるようなケタ外れの成功をしている人の多くが内向型です。ビル・ゲイツやウォーレン・バフェット、マーク・ザッカーバーグ、イーロン・マスクなどは、みんな内向型です。
彼らに共通するのは「自分を否定しないこと」です。決して外向型みたくなろうとはしません。むしろ、「ありのままの自分」を受け入れ、「内向型らしく」生きている人です。
皆さんは無理に外向型を演じることで悪循環に陥っているだけで、ありのままを受け入れて好循環に入れば、すべては解決されます。
変にこわばっていた肩の荷を下ろすことで、元々持ち合わせているけれど、これまで発揮されなかった内向型の「潜在能力」が引き出されるのです。ですから、内向型には数多くの「選ばれた才能」が秘められていることを知ってください。
大山栄作(おおやま えいさく)さん
米国・精神科医。自身も内向型。マンハッタン精神医学センター精神科医。安心メディカル・ヘルス・ケア心療内科医。米国精神神経学会認定医。米国精神医学協会(APA)会員。1993年東京慈恵会医科大学卒業。聖路加国際病院 小児科、慈恵病院 精神科を経て、埼玉県立越谷吉伸病院 精神科医長。2005年よりシティ・オブ・ホープ・メディカル・センター、ハーバーUCLAメディカルセンターにて、精神疾患の分子生物学的研究に従事。2012年マウントサイナイ医科大学精神科研修修了、現在に至る。日本で10年以上、米国で10年以上の臨床経験をもつ。
『精神科医が教える「静かな人」のすごい力 内向型が「秘めたる才能」を120%活かす方法』
著者:大山栄作 SBクリエイティブ 1760円(税込)
世界の研究機関で次々と内向型の「秘めたる潜在能力」が科学的に証明されている中、日米で精神科医として延べ1万人以上を診てきた著者が、内向型の「本来持ち合わせている才能」を説明しながら、潜在能力をフルに開花させる方法を伝えます。内向型であることで生きづらさを感じている人には、心を解放してくれる一冊となるでしょう。
写真:Shutterstock
構成/さくま健太
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