ちょっとした体の変化もそのままにせず、漢方を取り入れて体を整える人が増えてきました。漢方薬は婦人科クリニックでも処方されるほど西洋・東洋問わず信頼されていて、今ではドラッグストアでも気軽に購入できるものもあるのです。そこで、クラシエの「漢方セラピー」ブランド担当の砂橋久瑠実さんに、漢方薬との上手な付き合い方を教えてもらいました。
お話を聞いたのは……
クラシエ株式会社 薬品カンパニー ヘルスケア事業部マーケティング部
砂橋久瑠実さん
営業職として入社。入社7年目でマーケティング部に配属され、以後漢方セラピーブランドのマーケティングに従事。漢方セラピーのプロモーション並びにプロダクト戦略の立案を行う。
ドラッグストアで購入できる「漢方薬」、大人世代に人気の秘密を探りました!
Q:クラシエの「漢方セラピー」はいつから? また人気の商品は?
クラシエの漢方セラビーシリーズは2006年に誕生しました。処方にもよりますが、現在では全国のドラッグストア(約19660店舗)で購入が可能です。購入するお客さまは男女問わず、最近は若い世代の層も増えているんです。
発売当時は容量違いも含めて42品ありましたが、現在(2024年6月時点)では、67品まで種類も増えているんですよ。発売当時からラインナップに含まれていた「柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」や「加味帰脾湯(かみきひとう)」など不眠対策処方の漢方は今も人気で、お客さまからニーズの高い漢方薬となっています(砂橋さん)
Q:漢方セラピーシリーズの立ち上げのきっかけは?
漢方セラピーが立ち上った時の時代背景として、病気になる前に予防するセルフメディケーションの考え方や西洋薬では対応しきれない症例への対応を求めて、漢方薬に対する関心は高まっていました。
漢方薬に対しては「副作用が起こりにくい」「自然で体にやさしい」などのポジティブな捉え方がある一方で、「何を選んだら良いのか分からない」「価格が高い」「年配者向きで、古臭い」というネガティブなイメージも根強く、生活の中に上手に取り入れるための工夫が必要でもありました。
社会の変容で多様化する悩みにも応えていきたい、もっと多くの方に漢方の良さを理解していただきたいという想いから、漢方セラピーの開発をスタートしたのです(砂橋さん)
生薬の選定から製造過程まで徹底的にこだわった漢方薬
「西洋薬では対応しきれない不調にも対応できる」という認識は、「漢方に関心はあるけど、まだ試したことがない」層を大きく動かすきっかけに。そこで、漢方についてもっと知りたいという人のために、漢方セラピーシリーズの特徴を紹介します。
Q:漢方セラピーシリーズの最大の特徴を教えてください
漢方セラピー最大の特徴は、効能・効果を表記したパッケージです。この特徴的なパッケージの背景には、当時の調査結果よりお客さまが漢方薬のパッケージに求める要素として、「何に効くのかがわかる」が最も高かったことから、効能・効果をコピー化し、表面いっぱいにレイアウトしました。
ドラッグストアにおけるお客さまの購買行動がセルフ化していくに伴い、しっかりとお客さま自身でお選びいただけるデザインになっています(砂橋さん)
Q:生薬の調達や製造など、製造工程についてのこだわりは?
漢方薬は、数種類の生薬を組み合わせたものです。生薬の多くは中国から調達しますが、クラシエではこの生薬の調達にも独自のこだわりを持っています。研究段階で直接現地を訪問し、「クラシエの求める品質であるか」「生薬の元となる基原は確かか」「安定的な調達が可能か」などの基準をクリアした箇所を産地として選定しています。
また、天然物である生薬は、産地や収穫時期により品質が変動するため、重金属試験や残留農薬試験等をおこない、規格に適合した生薬のみを用いています。生薬の加工後も、製造の各段階において厳密に試験をすることで、十分な品質を安定的に確保できるようにしています(砂橋さん)
- 1
- 2
Comment