「人生は良いことを増やすよりも、悪いことを減らすほうがいい」

結果、私は1ヵ月に1キロペースで4キロ体重を落とすことができました。

現在はアレキサンダー・マックイーンのドレスをはじめ、クローゼットの中の4/5くらいの服は無事着られるようになっています。

もう身体というより、人生の軽やかさが違います。朝着たい服をすんなり着られるだけで、先ほど書いた悪循環はすべて消滅。鏡に映る自分にモヤることも減ったので、最近の私はシンプルにとにかく機嫌がいい。

運動をしているおかげで腰痛肩こりも良くなったし、職業柄悩まされがちな不眠もかなり改善しました。スロージョグを始めてから、なぜかぐっすり眠れるようにもなったんです。

5キロ増から始まった不幸。クローゼットで毎朝「着る服がない!」と“メンヘラ”になる39歳女の1日_img0
 

「人生は良いことを増やすよりも、悪いことを減らすほうがいい」と何かの本で読んだことがありますが、私にとってダイエットはそれだった気がします。ダイエットにより、日々デフォルトになっていた不快感が減った。

ボディポジティブという言葉も流行る中、痩せることが正義と思うわけでは決してないですが、自分が心地良い体型でいられると、身体も心も楽です。

少なくとも、「昔は食べても太らなかったの」とドヤりながら食べて太り続ける惨めな自分にストップをかけられて本当によかった。太るから控える、浮腫むから動くなど、「今の自分の身体に合った労わり方をできる=年齢をフラットに受け入れる」でもある気がします。

とはいえ、アレキサンダー・マックイーンのドレスを着て出かけるようなイベントはまだなく、実は値札がついたままクローゼットにかけっぱなしなんですが。

しかし私を痩せさせてくれたドレスには、堂々とタンスの肥やしでいてもらおうと思います。

 
文/山本理沙
漫画/小澤サチエ
 

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