ペンダント照明をつけるときに大切なことは、空間の広さ、テーブルからの高さ、利用する人の身長、つける照明のタイプや照明によって、どこに浮かび上がらせるかというポジション探しです。現場では、忍者のように天井に入って(笑)、作業してくださる電気屋さんやルイスポールセンの担当の方と相談をしながら、ギリギリどこに吊り下げたらインパクトがあり、バランス的に美しいかと相談しながら作業を進めていきました。

照明器具が吊り下がった空間を椅子に座って仰ぎ見たとき、夏の線香花火がパチパチ音を立てているようで、ここで坂本龍一さんの静かなピアノソロ「Tong Poo」でも聴きながら、白ワインなんて飲みたいなぁ、と思いました。

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天井からスッと吊り下げられたラジオハウス。ここまで低い位置に設置したことで、より“線香花火感”が演出できたと思います。夕暮れどきも美しいです。ぜひ訪れてみてくださいね。
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スポットライトだけではこの雰囲気は出せません。温かみのある黄色い電球を選んだこともポイントです。

空間を変えるためには、大掛かりなリフォームだけが選択肢ではありません。その空間の印象を最も決めてしまっているものは何かを割り出し、そこを変更するだけでインパクトは十分。リフォームでお悩みの皆さま、一度照明のもたらすマジックを見に東京国立博物館、カフェ「ゆりの木」を訪れてみてください。博物館のすばらしいアートに囲まれたあと、ゆったりと余韻をお楽しみいただけるはずです。
 


「残りの人生を、どう生きるか」を住まいから考える本

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行正り香『人生を変えるリノベーション』
2024年6月14日発売 
B5判型 オールカラー144ページ

・より広く明るく見える〈家具の配置〉とは?
・どこに影を作るか?〈照明プラン〉の考え方
・〈模様替え〉でも家は変わる
・理想を叶えるための〈予算設計〉の新しい考え方
・家は〈自分の個性〉を加えて完成する

機能とデザインとの両立、居心地のよさにプライオリティを置いた住まいとは? そして、残りの人生をどう生きるか? を住まいから考える本です。

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文/行正り香
撮影/結城剛太

 

 


前回記事「40代以降が適齢期。住まいから自分の将来を考える〈ともさかりえ×行正り香対談〉vol.4」>>

 
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