1人で逃げるのが難しければ「避難行動要支援者名簿」の登録を


阪神・淡路大震災では、死亡者のうち65歳以上が43.7%、東日本大震災では54.4%と約半数を高齢者が占めました。さらに豪雨や台風などの風水害は、災害規模にかかわらず、死者数の6~8割となっています。ある程度の予想がつく結果かもしれませんが、シニア世代は災害の影響を強く受ける傾向にあることがわかります。

相談者の美咲さんの義母のように、1人での避難が難しい方は「避難行動要支援者名簿」に登録してください。こちらの名簿は市町村に作成が義務付けられているもので、災害時の避難支援や安否確認などに利用されます。災害が発生した際に自ら避難することが困難と思われる方を管理していて、高齢者のみの世帯、要介護3以上、障害のある方などが対象ですが、自力避難が不安なときは該当外でも自治体に相談してみてください。

 


離れて暮らす親には「逃げなきゃコール」


シニア世代に特化した防災ガイドとしては、福岡県が発行している「シニア世代の防災のてびき」がとてもよくまとまっているので紹介しておきます。一度目を通すだけで多くの知識を得られる冊子で、子世代ができる取り組みとしては国土交通省が推進する「逃げなきゃコール」が紹介されています。

逃げなきゃコールは、離れて暮らす家族の市区町村の防災情報をアプリで入手し、直接電話で避難を呼びかける取り組みのこと。「NHKニュース・防災」、「Yahoo!防災速報」、「NTTdocomo災害用キット」、「au災害対策(+メッセージ)」などのアプリで居住エリアを事前登録し、アプリからのプッシュ通知で状況を把握して避難を促そうというものです。