『最果てアーケード』の舞台はどこの都市? 年代はいつ?

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使用済みの絵葉書、義眼、徽章、発条、玩具の楽器、人形専用の帽子、ドアノブ、化石……。「一体こんなもの、誰が買うの?」という品を扱う店ばかりが集まっている、世界で一番小さなアーケード。それを必要としているのが、たとえたった一人だとしても、その一人がたどり着くまで辛抱強く待ち続ける――。(『最果てアーケード』内容紹介より)

とこママ:フィクションを読むことが多いんですが、読んでいると配役が思い浮かぶんですよ。この人はあの俳優さんっぽいなとか。でも『最果てアーケード』は2~3回読んだんですが、配役がなかなかまとまらなかったんですよ。

Sumi:私は、このアーケードはどこなんだろう? って考えながら読んでいました。でも国や時代がうまく自分の中でも特定できないんですよ。イメージは、ブラウンというよりは黒っぽいのセピア色な街。ヨーロッパのような気もするけれど、でもパリではなくて、東欧の端のほうにある地方都市かなあと。でも、大正時代の終わりから昭和の初めの頃の日本のような気もするし、もしかしたら現代で国内旅行で訪れた地方都市でたまたま見つけたようなアーケード街かもしれない……。

Hiroe:このアーケードは成仏するまでに訪れる場所なのかなと思ったんです。自分の思い残したことを届けたり……。

はまじ:私も2回目に読んだときにそう思いました。この世とあの世の狭間にある、まるで49日みたいにたゆたう感じ。”死”と聞くと怖いなと思う方もいるかもしれないけれど、決してそんなことはなくて。

Shoko:確かに”死”を感じるけれど、決して恐怖では描いていないですよね。何かもうひとつ繋がっている世界があるのかなというふうに感じました。

はまじ:死とこちらの世界をぼんやりと淡く、優しい感じで描かれているなって思いますよね。皆さんは、具体的に好きだった人物や印象の残っているフレーズはありますか?

小説の具体的な部分への言及は次回へ……。ぜひ、『最果てアーケード』を未読の方は読んで来週の更新分を読んで見て下さいね。
 

 

 


 COLUMN 
〔ミモレ編集室〕読書部メンバーがはまじに薦めたい!
BOOK LIST


Hiroeさんおすすめ『祖母姫、ロンドンへ行く!』

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「年老いたおばあちゃまをロンドンに連れていった作家さんのエッセイです。おばあちゃまが気高くキュートで、年の重ね方が参考にもなるなと思いながら読んだ1冊です」


Sumiさんおすすめ『子どもが育つ魔法の言葉』

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「子育て中のはまじさんにおすすめしたい1冊です。時代とともに何がいい、悪いが変わることも多くて迷いますが、そんなときに私の指針になってくれました。本は読んだら手放すことが多いんですが、この本は今もずっと本棚に残っています」


とこママさんおすすめ『あなたはここにいなくとも』

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「ほろっとする感じの5つの短編が収められた1冊です。どの主人公もちょっとクセが強くて(笑)。恋人に家族を紹介できずに悩んでいる主人公が、亡くなったおばあさんの計らいで、幸せに導かれる一編が特にお気に入りです」

 


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撮影/沼尾翔平
スタイリング/亀甲有希
ヘア&メイク/吉岡美幸
構成・文/幸山梨奈
 


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