暑いながらも朝晩わずかに秋の気配を感じる8月の終わりになると、和菓子屋さんには菊や月をモチーフにしたお菓子が並び始めます。2つの縁起のいい形をしたお菓子、ぜひ“ぴったりの日”に合わせて買って食べてみませんか。
9月9日は菊の和菓子で「重陽の節句」を楽しむ
9月9日“重陽の節句”は、五節句の1つ。
古代中国では月と日付けの数字が奇数で重なる日は縁起のいい吉日とされたため、元日の1月1日をはじめとして、お節句(3月3日、5月5日、7月7日)は、すべて奇数が重なる日に設定されています。中でも陰陽説において最も大きい奇数である9が重なる9月9日はいちばんスペシャルな吉日。陰陽の”陽“が重なる”重陽の節句“として今でも大切にされています。中国ではこの日にお墓参りをしたり、結婚するカップルが多いと言います。
でもなぜこんなにも“菊”を重宝するのでしょうか。それは旧暦時代の9月9日は今でいうと10月半ばくらいなので、菊の花が盛んな頃。そのため“重陽の節句”は“菊の節句”とも言われ、この日に菊を愛でたり、菊酒を酌み交わしたりするようになったそう。
菊は古来より厄払いの効力があると言われてきた花。季節の節目である“お節句”でもあるので、邪気払いの意味も込めて菊が重宝されるようになったのかもしれません。
菊の花を飾るのも素敵ですが、愛らしい菊のお菓子を食べて楽しみませんか。
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