キスとハグ止まりのスキンシップ
真子さんが「ひょっとするとセックスレスかもしれない」と感じ始めたのは結婚2年目。娘さんを授かった頃だと言います。
「妊娠中、私は悪阻がひどいほうで、前期はまったくなかった性欲が、なぜか妊娠後期にやたら強くなりました。それで、安定期も過ぎたし……と夫を誘ったんですが、彼はまったくできなくて。『そのお腹はちょっと怖い。何かあっても大変だからやめておこうよ』と言われたんです。
え、断られるんだ……と、それなりにショックを受けましたが、たしかに大きくなったお腹に男性が萎縮するのも理解できるので、そのときは『じゃあ産後、体調が戻ったら』と済ませました」
ちなみに真子さん夫婦が長期間夫と身体の関係を持たないのは、2年間の交際期間も含めて初めてのことでした。産前までは週に2、3回ベッドに入る関係で、身体の相性はお互いにかなりよかった。だからこそ、初めて夫から断られたときは、妊娠後期とはいえ少々驚いたのだと言います。
「しかし産後も、何となく彼の性欲が感じられずにいました。赤ちゃんが近くで寝ていたら仕方ないかなと思いつつ、でも娘は比較的手のかからないほうで、夜泣きもほとんどなかった。だから私の身体が回復し、体型も少しマシになったタイミングで勇気を出して『もうできるよ』と誘ったんです。もしかして私の身体に遠慮してるのかと思って。
そうしたら……『ごめん、今日は仕事で疲れてるし明日も早いから』と、あっさり背を向けて寝てしまったんです。よくある話かもしれませんが、自分でも戸惑うくらいショックでした。なんというか、気持ちの行き場がないし、女性として否定されたような。初めての経験でした」
当時真子さんは33歳。まだまだ女盛りの自分がまさか最愛の夫から拒否をされるとは思わず、かなりの衝撃を受けてしまったそう。
しかしながら、夫に真子さんの意向は伝わっているはず。本当に疲れているだけなら、すぐに彼のほうから誘ってくれる……という期待は裏切られつづけ、その晩から就寝時は何となく気まずい空気が流れる中、夫が早々に寝息を立てるという状況が続いたそう。
「産後で感情的になっていたこともあり、ものすごく落ち込みました。週末に『今日こそは……?』と、さり気なくベッドの中で身体を寄せてみたりするんですけど、キスとハグ止まりで必ず寝てしまう。すると私は、悲しいのと苛立ちで眠れなくなるんです。
夫は相変わらず優しいし、可愛い娘を授かり日中は幸せ。でも毎晩悶々としてしまう。どうして産前のように求められないのか1人悩み続けて……もう我慢できなくて、つい夫のスマホを見たんです」
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