令和の中学受験は大人の関与が多め?


令和の中学受験は、親や塾の関与する割合が増え、内容も30年前よりハードになっていたのです。

そのことに気が付いたのは、ずっと後のことでした。

とにかく、当時の私は受験する方向にせっせと家庭内を調整しました。息子には中学受験のメリットとデメリットを伝えます。お友達の多くが受験すると言っていたので、すんなりやる気になってくれました。誘導に他なりません……。

さて、大手塾についてはオーソドックスに4年生から……と思っていたところ、近所の塾は2年生で募集を締め切るというではありませんか。先輩ママ友たちが教えてくれます。「4年生のときにも若干名募集はあるかもしれないけど、ハードルが高いよ? 今のうちに席を確保しておいたほうがいいんじゃない?」と。

教育ライター中学受験伴走記①「やってみたら予想斜め上にハードでした...」前知識ばっちりでも過酷な現実に呆然_img0
 

中学受験塾といえば4年生からが王道です。でも、ここでヘタに教育ライターをやっているため、情報は入ってきます。当時の一部地域では中学受験が過熱し、低学年から募集を締め切る塾も出ていました。完全な耳年増です。

せっかく歩けるほど近いのだから、あの校舎に通いたい。6年生後期になったら週4~5日通うのが中学受験塾です。通塾の負担を減らしたい親心でした。

幸い、低学年の月謝は数万円でした。公文に数科目通うのとそう変わりません。

お金で解決できるなら、将来の通塾時間を買うという考えもあるのか?

うじうじと踏ん切りがつかない私に、夫も「近いに越したことはないよ。席を確保するつもりで入ったら」と言ってくれます。中学受験にしぶしぶ賛同したわりには、寛大。

仕方ない、このために仕事、頑張ろう……。

この考え方こそ、「中学受験沼」の始まりだと、第1子で手探りだった私にはまだ知る由もありませんでした。

つづきます。
 

 
文/佐野倫子
編集/山本理沙
イラスト/Semo

 
教育ライター中学受験伴走記①「やってみたら予想斜め上にハードでした...」前知識ばっちりでも過酷な現実に呆然_img1