徒歩圏内の中学受験塾の席を確保するため、モヤモヤしながらも低学年から息子を通わせることにした我が家。
「まあ、言葉は悪いけど席取りだし、ゆるく通えばいいかな?」とのんきに構えていました。
……しかしひとたび始めてしまうと、そううまくはいきません。
第1回「教育ライターのよろよろ中学受験伴走記①「やってみたら予想斜め上にハードでした...」前知識ばっちりでも過酷な現実に呆然」>>
驚愕!SNS上の武勇伝
いざ塾に通い始めると成績がなんだか気になってしまいます。低学年と言えどもテストの成績で10段階以上からなるコース昇降がありますし、偏差値も順番もでます。
最初から勉強に苦手意識を持ってほしくないので、あまり低い点は取らせたくない。3年生になる頃には「漢字と計算は落とさないように頑張ろう」などと言い始めました。
とはいえ、SNSで見るような「英才教育」「中受フルコミット」は、仕事を半分言い訳に、できそうもありません。もしリソースがあったとしても、まだ10歳にもならないうちから勉強勉強と言うのはどうも違う気がする、と良い母ぶりたい気持ちもありました。
そんな中途半端な母のもの思いを蹴散らすような、秀才親子たちの武勇伝と実況中継がSNSのなかに溢れています。
低学年でも土日の午前中4・5時間は勉強、午後は目いっぱい遊んでOK。
先輩ママに紹介してもらった凄腕の家庭教師をつけている。
先取り算数塾を掛け持ちしている。
個別指導塾にも課金中。
母が間違えた問題を集めてカードを作り、隙間時間に繰り返す。
メルカリで「過去問」をGET。ライバルに差をつける。
小6の秋までサッカーをやっていたけれど御三家合格! 秘訣は母の生活サポート。
理科が苦手だったので有名な実験教室に通って実体験を積ませた。
「よ、よくやるなあ……」
私は、おっかなびっくりでスマホを見ながらため息をついていました。フリーランスで時間の融通がきくとはいえ、ある意味では厳しい環境です。仕事を断ってしまえば収入はなくなりますし、原稿の品質を落とせばもう依頼はありません。そんな私が、教育ママみたいに頑張る気力も時間も、正直残っていないし……。
仕事は頑張りながら、できる範囲でサポートしよう。そのためには、できないこともあるのだ!
そう言い聞かせていました。最初は。すごいお母さんのお話をきくと、「それはまたレベルが違う話ねえ、うちには関係ないな」と、自分たちとはまったく違う世界線の話だと思っていたのです。
でもあるとき、中学受験と縁もゆかりもない友人が、胸に刺さることを言いました。
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