日常で感じる「ちょっとした違和感」について井戸端会議していくこの連載。ウェブマガジン「ミモレ」とその読者コミュニティ〔ミモレ編集室〕に寄せられた皆さんのモヤモヤエピソードをご紹介していきます。
今日ご紹介するのは、職場での評価にまつわるモヤモヤエピソードです。
「あんなに頑張ったのに、これだけ?」
エピソードをお寄せくださったのは、メーカーの管理部で働くアキラさん(35歳・会社員)。
電子機器メーカーの管理部で、社内システム管理を担当しています。
以前は営業の仕事をしていましたが、もっと精神的に安定した状態で働きたいと思い、本部への異動を希望。幸運にも希望がかない、管理部に異動したのが2年前のことです。
担当している社内システム管理業務は、外部のSEさんとの連携や、社内の照会対応が主な仕事です。部内にはベテランの方ばかりで、多くの業務がマニュアル化されず、各社員の経験値に頼った運営になっていました。
上司や先輩に相談して、システムのマニュアルや開発経緯をまとめた資料を作ろうというプロジェクトを立ち上げました。多くの先輩方の協力のおかげでプロジェクトが完了したのが半年前。社内からも感謝の声をたくさんいただきました。
「これは、きっと人事評価にも良い影響があるのでは?」
内心とても期待していたのですが、先日のボーナス支給日に愕然。営業時代よりも大きく4割ほど目減りした額だったんです。びっくりして同僚に話すと、「管理部は評価されにくいよ。営業とか企画とか、目立つ部署とは最初からステージが違うから」「でも私は、管理部の仕事にやりがいを感じているから」となだめられてしまいました。
でもそれって、「やりがい搾取」ですよね。
営業は確かに苦しいことも多く、会社の収益を背負っている仕事として高く評価されるべきだとは思います。でも、自分が管理の仕事をしてみて「縁の下の力持ち」が会社を支えているということも痛感しました。どの部署にいるかでここまで待遇が変わるなんて……、仕事へのモチベーションが下がってしまい、辛いです。
自己評価とフィードバックの間に
業務の効率化を進めるプロジェクト、素晴らしい企画だと思います。しかしそれが、思ったほど評価に反映されていないと感じたんですね。会社勤めとしては評価や査定、そしてそれが待遇にどう影響するかというのは大きな関心事。期待値とずれを感じると、モチベーションに響きますよね……。
会社には会社の論理があり、社員は会社に雇われている立場とはいえ当然、個人としての論理と主張があります。それをなんとかすり合わせるのが人事評価。両者ともに納得できる結果にもっていくのは、非常に複雑で難しいこともあります。
しかし、最初から諦める必要はありません。少なくとも、アキラさんの上司にはアキラさんに評価の根拠をフィードバックする義務があるはずですよね。管理部にきてまだ2年目で、慣例や相場観みたいなものの知識がまだ不足しているでしょうから、上司の方に率直に評価の考え方を聞いてみるのはいかがでしょうか。
アキラさんの「自己評価」、そして会社と上司の「フィードバック(その結果としてのボーナス額」。今のところ、その間には深い溝がある状態です。アキラさんと上司のコミュニケーションが、そこを埋める手助けになるのではないかと思います。そしてそれはできれば、評価結果が出てしまう前に、しっかり時間をかけてできればよいですよね。
自分の実績や今後考えている計画などをしっかり上司に説明し、上司は上司で会社が期待することや評価の基準みたいなものを説明する。そんな双方向のコミュニケーションが、お互いの納得感のためにはマストだと思います。
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