前回に引き続き、300枚以上のシャツを買ってきたエディター昼田祥子さんのファッション企画をお届けします。シャツが似合うようになりたい、と思うときこそ“手放す”べきこととは?
前回記事
20年以上買い続けても「服の悩み」が消えないのはなぜ?足すより「手放す」で苦手なシャツが似合うようになった理由>>
02「お気に入りの服探し」を手放す
自分にぴったりな完璧なシャツなんて存在しない
シャツに関していうなら、自分に似合うものをずっと探してきました。買って買って買いまくって、気がつけば300枚以上のシャツを手にして、仕事でもそれなりの量を試しています。で、ようやく分かったことがあります。それは自分にとって完璧なシャツは存在しない、ということでした。
もう少し身幅が狭かったらいいのに、もっとボタンが外しやすいものだったらいいのに。着れば着るほど、目が肥えていくほど、実用性やデザイン、着心地まですべてが満足できる一枚がない。
そりゃそうなんですよ、私を想定して作ってもらった服ではないですしね。
なんだ、ずっと追いかけ続けていたけれど、自分のために設計された服はこの世に存在していなかったのだ。
既製品である以上、100%は合わない。「合わなくて当然なんだ」と思って着るようにしたら肩の力がふっと抜けました。もう”お気に入り”を探さなくていいのだと思うとラクになりました。
それよりも納得できるものを何度も着て、関係性を深めて使いこなせるようになることの方が大事なんじゃないかと思うようになりました。「モノ」に自分を当てはめていくのではなくて、扱える「自分」になればいい。
私のクローゼットにある20着の服。それぞれに「もう少しこうだったらいいのに」と思う要素があります。だけど、比率的に好きな要素が勝っているから持っているだけの話。それでいいんですよ。
03「新しい服を買い足す」のを一旦手放す
垢抜けるのに必要なのは、ちょっとのテクニック
シャツをもっとうまく着こなしたい。そう思っているからでしょうか。気がつけばいつでも”シャツを着ている人”を追いかけていました。なぜか目に止まってしまう、という感じでしょうか。ピンタレストを見ても、やっぱり気がつけば追ってしまう(笑)。
なんでこの人は素敵に見えているんだろうか。
なんでシンプルなシャツが様になって見えるんだろうか。
一生懸命、考えましたよ。
で、素敵だなと感じる人に共通しているのは、
・シャツの着こなしが板について見える
・シャツなのに硬くなりすぎず、余裕を感じさせる佇まい
なるほどね、この二つを意図的に演出できればいいんだなと分かった。つまり、どこのシャツかなんて関係ないし、ほんのちょっとのテクニックがあればいいだけ。「あの服だから素敵に見える」は幻想だったんです。同じものを買い求めなくてもいい。「シャツを着ている」じゃなくて「シャツを着こなす」ができていればいいのだという結論に至りました。
具体的には次回以降の記事でご紹介しますね。
どの人にも、まるで10年着ているような馴染んでいる雰囲気があります。そう! 共通することは”胸元の開き”です。海外の人は露出することに抵抗がないからできるんでしょうけど、要はこのVゾーンが大事ってことなんですよ。
(次回に続きます)
<新刊紹介>
『1000枚の服を捨てたら、人生がすごい勢いで動き出した話』
著・昼田祥子
¥1540(税込)
講談社
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「朝日新聞」「CLASSY.」「リンネル」「日経WOMAN」など、各メディアで話題! たちまち7刷の話題作。
クローゼットに収納術はいりません。
「クローゼット=本当の自分」にできれば、勝手に整うものだから。
ただ、自分の心地よさに従うこと。
本来の自分を生きるという覚悟を決めること。
捨てられずに人生を詰まらせているものに向き合い、手放していけたとき、人生はすごい速さで自分でも思いがけない方向に進んでいきます。
1000枚の服を溜め込んだファッション雑誌編集者の人生を変えた「服捨て」体験と、誰でもできるその方法を伝えます。
撮影(人物)/岡部太郎(SIGNO)
着用、スタイリング/昼田祥子
ヘアメイク/加藤志穂(PEACE MONKEY)
編集/出原杏子
第1回「20年以上買い続けても「服の悩み」が消えないのはなぜ?足すより「手放す」で苦手なシャツが似合うようになった理由」>>
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