エンタメ業界における未成年の性的搾取の闇
アメリカでは歌手のR・ケリーや実業家のジェフリー・エプスタイン、そしてイギリスでは死後にその事実が発覚した人気TV司会者ジミー・サビルのように、エンタメ業界ではたびたび“ペドフィリア”と呼ばれる児童性愛者による大規模な性犯罪が起きており、「#Me too」運動以来、これまで隠されていた未成年被害者の存在が、徐々に明るみになり始めています。
ディディと同じように未成年への性的暴行や人身売買の疑惑で逮捕されたジェフリー・エプスタインは、英国アンドリュー王子やビル・ゲイツとの親交がスキャンダルになり、裁判の前にN.Y.の矯正施設内で死亡。世界中のVIPが彼の所有するヴァージン諸島の島のひとつに買春のために訪れていたと言われていますが、彼の死とともに、その真相は闇の中に。
そのため、エプスタインは口封じのために消されたという説がありますが、ディディもそれを恐れてか、「全米最悪、かつ危険」との悪名高い、現在勾留中のN .Y.のメトロポリタン拘置所の独房では出された食事に一切手をつけていないほか、自殺防止の器具を装着させられているとか。ちなみにディディは無罪を主張していますが、70億円の支払いを申し出た保釈を却下され、このまま行くと終身刑は確実のよう。
一連のディディの犯罪や、女性に危害を加える男性ついて、過去にディディと関係を持ったことがある女性作家、エリザベス・オベセンはこう述べています。
「それがどんな気分なのか、私には正確にわかる。それはディディだけじゃないし、音楽やヒップホップの問題でもない。それは『女が嫌いな男、自分が嫌いな男、自分のセクシュアリティを認めることができず、本当はストレートじゃないのにストレートのフリをしている男たち』。彼らは女が嫌いなの、なぜなら自分達にはなれないから。彼らのほとんどは女になりたいと思っているけどそうできない。だから彼らは女を憎んでる。彼らは早い段階で私たちを頻繁に打ち負かそうとする」。
ラッパーの50セントはNetflixで今回のディディの恐喝や性的暴行、性的人身売買や暴力についての真相を暴くドキュメンタリー作品を制作することを発表。ドキュメンタリーの収益は、被害者支援のために寄付されるそう。今年に入りディスカバリープラスでも、子ども向けチャンネル「ニコロデオン」で行われた子役たちへのグルーミングや性的搾取、虐待を描いたドキュメンタリー番組を配信しています。2017年から始まったこの「#Me too」ムーブメントの流れ。世界各地に存在する児童性愛者ネットワークの、すべての膿が出切る日は一体いつ訪れるのでしょうか。
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