そもそも夫は犬派で、猫には興味がないタイプ。私の猫好きに押されて二匹を飼っていただけだったらしいが、私の態度もあってか「自分で見つけた自分の猫」という責任感が生まれたよう。ゆずはまだ先住猫と打ち解けていないため、夫の仕事部屋に隔離しているということもあるが、先住猫二匹に対してはほとんど何もしなかったのに、ゆずには毎日ちゃんとご飯をあげ、一緒に遊び、トイレの始末もするようになった。
それどころか、以前猫を飼う前は「キャットタワーとか、ああいう生活感があるものを部屋に置きたくない」と言って激しく抵抗していたのに、ゆずが来てからは「やっぱり猫はそれぞれのテリトリーが大切だから、キャットタワーをもう一つ、二つ買い足した方がいい」とまで言い出すように。さらに最近は「ゆずは賢いから芸を教える」と宣言し、カリカリを与えるたびに”お手”の練習までしている。
ちなみに、ゆずを見つけたのは引越しを決めたちょうど数日後のことだった。「より広い家になるから、三匹目を迎えてあげても大丈夫かもしれない」と思ったからこそ、本気で里親を探さなかった感はある。数ヵ月前は、引っ越しはおろか、猫が三匹になるだなんて考えてもいなかったのに。暮らしというのは、ある日突然様変わりしたりするものなのだなと、広くなった家と三匹の猫を見ながら考えている。
<書籍紹介>
『GOROGORO KITCHEN
心満たされるパリの暮らし』
著:井筒麻三子 写真:Yas
定価:¥1980
講談社
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パリで働く日本人Mamikoが、暮らしのvlogをYouTubeチャンネル「GOROGORO KITCHEN」でアップし始めたら、日本人だけでなく、世界中の人たち(現在チャンネル登録者数41万人)からの熱い支持が!
色や柄を自由に使った小さいけれど素敵な部屋、フランスの家庭料理も普通の和食も作る日々のおうちごはん、蚤の市でのお宝探し、農家からもらってきた2匹の猫……。
パリのおすすめレストランや、喜ばれるパリ土産もランキング形式でご紹介。
YouTubeでは語りきれない暮らしのコツや素顔のパリのエッセイを美しい写真と共にたっぷりとお届けします。
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