悲願の独立! のはずが「猛烈な孤独感」に襲われる

「引っ越しうつ」に「テレワークうつ」...いい変化なのにメンタル不調が起こるのはなぜ? “気分がずーんと沈む”経験をした私が専門医に聞いてみた_img0
 

二つ目は「独立」です。私は長年専業ライターになることを目指して、ライターと会社で働くことを両立してきました。そして昨年4月、ついに会社を辞め、専業のライターになったのです。会社の仕事との両立は大変で、どちらの仕事にも集中しきれず、しんどい部分も大きかったので、専業になるのは念願、もはや悲願とも言えるものでした。これでやっとひとつ大きな目標が叶う!! そう思ったのも束の間。またしても心の不調が起き始めたのです。

会社を辞めてフリーランス一本になった私は、自宅作業がメインの生活になりました。すると、ほとんど家の外に出ない、誰ともしゃべらない生活になったのです。今までは、会社に行けば同僚がいて、仕事の合間に何気ない世間話をしていました。それがいきなり、誰とも会わない、しゃべらない生活になったのです。そこで襲ってきたのが猛烈な孤独感。あまりに寂しくて、自分でも訳が分からず急に涙が出てくるほどでした。

 

「精神的に安定する生活リズム」を手探りした

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食欲が急激に落ち、不眠に陥りました。何をしていても落ち着かず、気持ちがずーーーんと落ち込むようになりました。心の基盤が、根底から崩れ去ったような、そんな感覚に陥りました。土台がなくなって、心がぐらっぐら。とても不安定になってしまったのです。

なんで? この生活をあんなに望んでいたはずなのに。自分でも、一体自分の身に何が起きているのか理解ができませんでした。

どれだけ念願だとしても、長年の生活リズムや環境がガラッと変わることって、ものすごく負荷がかかることなんだと実感しました。当時は自分の変化を受け入れられず、ひたすら慌てふためいていたように思います。時間が経った今は、そりゃあ急に生活が変われば心もビックリするよな、と俯瞰して見られるようになりました。また、色んな人と話したり、運動を増やしたり、人と接する時間を生活に組み込むなどして、精神的に安定する生活リズムがなんとなくわかるようになりました。