「辛いなら、仕事を辞めたら…?」
夫婦が結婚したのは約8年前。友人主催の食事会で出会った2人は、半年ほどの交際期間を経てとんとん拍子に結婚しました。
メガバンクに勤める裕一さんの職場では既婚者が多かったこともあり、自分も早めに身を固めたほうが良いとゆるく婚活をしていたと言います。具体的には、合コンに積極的に参加したり、友人に独身女性を紹介してもらったりしていたそう。
「あの頃はわりと多くの女性と出会いました。でも、なかなか結婚生活をイメージできる人がいなくて。外見がタイプの美人でも性格が読めなかったり、気が合うと思っても細かい欠点が気になったり、こちらがいいなと思ってもフェードアウトされたり……。
そんな中で、妻は良い意味で普通、地に足のついたまともな女性という印象で、結婚相手にはぴったり、きっと幸せな家庭を築けるだろうと思ったんです」
しかしながら結婚後、妻は交際時とはちがう顔をしばしば見せるようになりました。
「新婚生活が落ち着いた頃から、妻はやたらとイライラすることが多くなりました。彼女は当時不動産会社の営業として働いていましたが、仕事が忙しい時期などはヒステリーみたいなものを起こすんです。
家事と仕事を両立するのは大変だとかで、怒りをぶつけるように乱暴に皿洗いをして、グラスを割ったりだとか……」
「さらには軽い不眠症状などにも悩んでいるようで、もちろん体調は心配だったんですが、正直家の中で不機嫌になられると僕も居心地が悪くて辛かった。だから、そんなに仕事が大変で辛いなら、辞めて家にいたら? と言ったんです。無理に共働きをしなくても、家でゆっくりして穏やかに過ごしてくれるほうがいいんじゃないかと思って」
話し合いの末、妻は仕事を辞め専業主婦になりましたが、再び問題が勃発します。
「仕事を辞めて妻はヒステリーを起こすことはなくなったんですが、何だかやたらお金を使うようになったんです。もちろん2人で話し合って彼女は専業主婦になったので、生活費全般は僕が払うようになり、一応彼女が自由に使えるお小遣いも月に7万円あげると決めました。
でも、それでは全然足りないと。美容院に通ったり化粧品を買うだけで数万円はするし、時間ができたぶんお料理教室やヨガにも通いたい。友だちとの交際費もあるから自由に使えるお金は最低でも15万円は必要だど……」
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