【老齢年金を増やす方法②】老齢厚生年金の支給額も4つのパターンで増やせる!
①仕事を続けて厚生年金に加入する(70歳まで)
厚生年金は原則70歳まで加入することができるので、60歳以降も会社に勤めて厚生年金保険料を納めることで年金額を増やすことができます。ただし、60歳以降も仕事を続ける場合、下記のように働くことで年金の受給額や収入が減ったりすることがあるので注意しましょう。
②繰り下げ受給する
65歳から始まる老齢厚生年金の受給を66歳以降、最長75歳まで遅らせる「繰り下げ受給」をすることで支給額を増やすことができます。増額率は1カ月0.7%で、1年で8.4%、最大84%まで増やすことが可能です。ただし、特別支給の老齢厚生年金は繰り下げ受給することができません。
※昭和27年4月1日以前生まれの人の繰り下げは70歳まで。
③受給資格期間10年を満たしていない人は、70歳を超えても厚生年金に加入する
原則として厚生年金への加入は70歳までですが、70歳を過ぎても会社に勤め、その時点で老齢年金の加入期間が10年に満たない場合は、「高齢任意加入被保険者」として受給資格を満たすまで任意で厚生年金に加入することができます。
④パートでも厚生年金に加入する
現在、一定の条件を満たすパートタイマーやアルバイトの厚生年金への加入が、企業規模に応じて段階的に義務化されています。令和6(2024)年10月から被保険者数51人以上の企業では、週の労働時間が20時間以上30時間未満、1カ月あたりの賃金が8万8000円以上など、一定の条件を満たす従業員を厚生年金に加入させることが義務づけられるため、こうした企業を選んで働くことで年金額を増やすことができます。
著者プロフィール
拝野洋子(はいの ようこ)さん
社会保険労務士・ファイナンシャルプランナー。AFP(上級資格CFPのうち、ライフ、保険、タックス、相続、金融の5科目合格)。日商簿記2級。新聞記事等に執筆。『マネーの達人が教える 老後のお金が増える手続き事典』北山秀輝氏著を監修、他に週刊誌記事等にて監修。社会保険労務士の仕事を行うとともにFPとして家計相談にも応じる。年金相談は対面と電話、メールで対応している。
AllAbout年金・社会保障ガイド:https://allabout.co.jp/gm/gp/1250/library/
HP:https://haiyo-fpshakaihoken3107.me X:https://x.com/iyochanjp
AmebaBlog:https://ameblo.jp/iyochanjp/
『年金格差はこうして起こる!? 女性のための老齢年金と遺族年金』
著者:拝野洋子 日東書院本社 1980円(税込)
共働きで夫婦ともに厚生年金期間が長い、夫が会社員で妻がほとんど専業主婦、夫が自営で妻が専業主婦、さらには夫が若くして死亡、熟年離婚、海外生活あり、など。女性の多様なライフスタイルにフォーカスし、それぞれの人生での年金額を算出していきます。難解な年金用語の解説などもあり、年金の知識が少ない人が読んでも理解できる内容になっています。
写真:Shutterstock
構成/さくま健太
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