契約後をイメージしやすくなる 副業ならではの心がまえ


いざ採用された後も、副業ならではの心がまえが必要です。

「やっぱり、常に社内にいるわけではないので、フルタイムの社員と比べると接触時間や、接触できる情報の深さが違います。そのため、自分から情報を取りにいく必要があります。

会社員でミッションを与えられ、そのミッションを達成するアクションをとることに慣れている人の場合、自分から動くというスタンスに最初は苦労するかもしれません。

何か困ったことがあったら誰に聞けばいいかなど、自分で情報を取りに行くにあたって相手先の状況をよく知っておくことも大切。限られた時間の中で、どうやって相手を理解するか、どうやって密な関係を築くかといったフィットしようとする姿勢が、企業で副業をするうえでは大事になります。

また、自分のやったことをしっかり発信して共有することも重要です。月に数時間しかミーティング時間がなく、それ以外に何も連絡しなかったら『大丈夫かな? ちゃんとやってるかな?』と不信感を抱くこともあります。

会えなくてもちゃんとコミュニケーションをとって、報告してくれれば安心します。ある意味、遠距離恋愛と一緒かもしれません」(田中さん)

 


目的はなくてもいい、きっかけは何でもOK!


就職や転職に比べると手軽とはいえ、個人でサクッと始められるクラウドソーシングやスキルシェアより、企業での副業は少し緊張感があります。気軽にエントリーしてしまってよいものなのでしょうか?

「キャリアを積みたくてそのために副業をやります、という計画的な方ってそんなに多くないと思っています。きっかけは『自分はこのままでいいのかな』というモヤモヤだったり、管理職になっても現場の感覚を忘れたくないと思っていたり。あるいは、もう一定の仕事はできるようになって今の会社では新しく学ぶより、ただこなすフェーズになってしまった……と漠然とした不安から登録される人が多い印象です。

きっかけは何でもいい。目的を持つことは大事ですが、やりながら見えてくることもあると思います」(田中さん)

ミドル世代の女性は、家庭を回しながら仕事をするなど、タイムマネジメントや段取り力など、自分が思っている以上のスキルを兼ね備えている人が多いといいます。すでに副業しているようなものなのかもしれませんね。

私たちが思っているより、自信を持って活躍できる場は多そうです。


構成/佐野倫子
イラスト/Semo
 

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