ケアしてもすぐに伸びてくる……鏡を見るたびに目に入ってくる白髪。ミドル世代の女性にとって大きなストレスのひとつです。美容エディター松本千登世さんにご自身の経験も踏まえ、白髪とどうポジティブに向き合ったらよいのかお話を伺いました。
髪は、全体の印象を決める大事なファッション要素
――松本さんは以前から、オシャレにおける髪の重要性についてお話しされています。
松本千登世さん(以下松本):ここ数年で、化粧品の進化や私たちの意識の変化もあって、日本人女性の肌のトーンや肌の質そのものが非常に上がっているそうです。髪に関してもヘアケアや頭皮ケアなどがとても進化していますよね。その一方でスタイリング剤やカラーリング、そして日々のストレスなど髪の健康を阻害する要因も多くあります。こうした事情もあってか、肌の質が一気に上がったぶん、逆に髪の衰えが目立ってしまう場合も多いようです。今後、この落差はさらに広がるのではないかと私自身も気になっています。
最近ふと考えてしまうのが「顔は笑うけれど、髪は笑わない」。顔は表情で与える印象を変えることができますが、髪には表情がありませんから、髪の状態のよしあしが印象そのものを左右します。髪のコンディション次第で疲れているように見えたり、粗雑な印象を与えたり……。肌やメイク、服も大事ですが、印象を決めるという意味では髪が本当に重要。そのことに皆さん気づいているからこそ、白髪が気になるのだと思います。
自分の髪を好きでいられると、堂々としていられる
――「髪もまた、その人の一部」という考え方ですね。
松本:はい。私自身はずっと長く伸ばしていた髪を、5年ほど前にバッサリ切って今の長さになりました。髪を切ったことで、それまで「今日、何を着よう……?」と悩ましく思っていたのが、「明日、何を着よう!?」と前向きな心境に変わったのです。「髪によって、こんなに気持ちが変わるんだ!」と実感しました。髪形や髪質を含め、自分の髪を好きでいられると、堂々としていられるのだなと強く思います。
白髪があることで、不自由さを感じる場面も
――白髪に悩むミモレ世代は少なくありませんが、松本さんの周りでも、白髪に関する話題は出てきますか?
松本:とてもよく聞きますし、最近は30代後半の方からそういった話を聞くこともあり、若年化が進んでいるように感じます。また興味深いのが、女優さんとご一緒した際に、皆さん「白髪、どうしたらいいと思う?」とおっしゃること。とくに映像のお仕事だと、どの角度から撮られるか分からず、また撮影シーンの前後で髪色が変化してはいけないなどの制約があり、カラーリングのタイミングを計るのが非常に難しいそう。女優さんといえば美への意識が高く、美に関わるチャンスも多いであろう方々ですが、困っていることは私たちと同じなのだなと思いました。
また、今の私のヘアスタイルはいろいろとアレンジがきく長さなので、カラーリングをして2週間ぐらいはタイトなセンターパートやオールバックなど髪型を自由に楽しめるのですが、3~4週目になると白髪が気になり出し、白髪をごまかすという制約が生まれて、楽しめなくなってしまいます。本来は自由度の高いヘアスタイルのはずが不自由さを感じる場面が出てくると、「堂々としていたい……!」と思うことが多いですね。
自分のタイミングでケアができるセルフカラー
――白髪ケアは欠かせないものの、多忙なミモレ世代は、そこに十分な時間が取れないのが現状です。
松本:セルフカラーのいいところは、自分のタイミングでケアができること。ヘアサロンでカラーリングをやってもらう場合は時間を確保し、お店まで行かなければなりませんが、セルフカラーは自宅でいつでもやることができますから、こまめなケアが可能に。また、従来の白髪染めで一般的なクリームタイプと泡タイプの良いとこどりをしている“泡クリーム”などセルフカラー初心者にも扱いやすいテクスチャーも出てきていて、とても助けられるはず。とくに後頭部は自分でやるのが難しい箇所でもありますが、泡クリームのような手で塗れるタイプであればやりづらさも軽減されるのかなと想像します。
※ヘアカラーの48時間前には、パッチテストを行ってください。
白髪染めを、自分らしい髪色を見つけて楽しむ機会に
――単に白髪を染めるというだけでなく、目指す髪色にもこだわりたいですね。
松本:私自身は少し明るくしていた時期もありましたが、「黒がいちばん好き」と戻しました。髪色は肌の色や目の色、どこにオシャレのニュアンスを置くかでも変わってくると思いますが、白髪染めが「どの色を楽しもう?」といろいろな髪色を楽しむ機会になればいいですね。先ほどお話しした泡クリームタイプの商品「ビゲン 泡クリームカラー」はブラウンカラーで10色展開と、豊富なカラーバリエーションなのが嬉しいところ。セルフカラーで自分に自信を持ち、堂々と日々を過ごすことができれば、最高だと思います。
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