そして、見ていてちょっぴりモヤっとするのが、次女の涼(堀田真由)。「わたしは、恋も結婚もしない! 一生、姉妹で暮らしたい!」と宣言している涼は、ラブストーリー界のレジェンド脚本家・大平かなえ(筒井真理子)のもとで働いているものの、恋はしない主義。「ママみたいに、男がいないと生きていけない人生なんて、わたし絶対に嫌!」と言っていたし、男性に振り回されまくっている母親・満美(坂井真紀)を見てきたからこそ、そういった考えになっているんだと思います。自立して生きることを目指す涼にとって、恋愛依存している母親や、結婚を目指している姉妹たちは、ちょっぴり情けない存在に見えるのかもしれません。

最近の恋愛ドラマにおいて、恋に生きるヒロインって減ってきた気がしませんか? たとえば、『やまとなでしこ』(2000年/フジテレビ系)の桜子(松嶋菜々子)や、『失恋ショコラティエ』(2014年/フジテレビ系)の紗絵子(石原さとみ)のようなかつての“女性の幸せ”を追い求める系のヒロインは支持されにくくなっているんだと思います。リアル世界でも、「恋愛、恋愛言っている人は、ダサい」「男がいなくても自立できるのがいい女」なんていう風潮ができているのを、肌で感じる瞬間が多いです。

 

涼も、第1話で大御所脚本家・黒崎潤(生瀬勝久)が書いた「恋愛しなきゃ、もったいない」という台詞を、「人生は、恋とか結婚がすべてじゃない。楽しまないと、もったいない」と改変していました。たしかに、恋とか結婚がすべてじゃないのは分かる。でも、シンデレラのように、王子様がやってくるのを待っている女の子を受け入れてあげることも、多様性を認めることにつながっていくのではないかな? と思いました。恋愛脳でもいい、恋愛しなくてもいい。どちらの気持ちも受け入れることができる世の中になってほしいな……なんてことを、『若草物語』を観て考えさせられました。

『若草物語』涼(堀田真由)の「恋も結婚もしない」宣言に正直モヤっ...。”恋に生きるヒロイン”が減る今、恋愛ドラマは多様性をどう描く?_img0
 

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