こんな人、会社にいたらちょっと嫌だ。でも、こんな人になりたい……かもしれない。菜々緒さん主演ドラマ『無能の鷹』(テレビ朝日系)を観ていると、なんだか不思議な気持ちになります。
見た目は有能なのに、中身は無能。菜々緒さんが演じる鷹野ツメ子は、中堅エースの風格を備えているのに、コピーもできなければ、パソコンも起動することができない。なのに、なぜかめちゃくちゃ堂々としているんですよね。上司に指導されたことを理解できなかったら、「申し訳ございません。こちらに関しては、絶望的状況です」とバッサリ。さらに、「むずかしいことを考えると、頭が痛くなるんです」なんて言っちゃう。上司だったら、イラっとするだろうけど、こんなふうに何事にも屈しない姿勢って、ちょっと憧れちゃいます。
第1話では、上司たちが「あいつはクビかなぁ」と陰で言っているのを、鷹野が聞いてしまうシーンがありました。普通ならば、すごく落ち込みますよね。働き方を変えなきゃ……なんて自責の念に駆られるかもしれない(というか、それが社会人としてあるべき姿なのかもしれませんが)。
それなのに、鷹野の同期・鶸田(塩野瑛久)が「落ち込まないの?」と聞くと、「落ち込む? なんで?」と即答。「わたしが、この会社を必要としてるから。だから、会社に必要とされているかは、考えないようにしてる」と言い切ったんです。その考え方、わたしにはなかった……! まさに、目からウロコでした。たしかに、人生において考えなくていいことってありますよね。鷹野はあまりにも自分軸で生きすぎているかもしれないけれど、少しくらいはこの要素を取り入れてもいいのかな? と思いました。
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