私は補聴器を使いはじめたほうがいいのか?


私のような加齢性難聴の場合は、手術や薬では治りません。気が進みませんが、補聴器で聞こえのサポートを検討すべきなのでしょうか?

家電製品の電子音が聞こえない。40代からはじまる耳の遠さを放置してはいけない理由_img0
写真:Shutterstock

「補聴器をつけるにあたり、聴力の基準はありません。ご自身が会話・テレビの音が聞こえないと困っているなら、補聴器や集音器を検討してください。

集音器はオーディオ機器のため細かい調整はできませんが、価格はリーズナブルです。補聴器はオーダーメイドの医療機器で、価格は片耳約20万円ほどから高額なものまであります」

補聴器に二の足を踏んでしまう理由として、付けたときの見た目の問題よりも、父は何度も補聴器の調整に通っていたけれど、どうしても聴こえ方に違和感があると、高額で買った補聴器を付けることが少なかった。その印象が強く残っているからです。

 

「たしかに、補聴器を買っても使わず、タンスの肥やしにしている人も多いんです。たとえば、メガネはかけるとすぐに見えますが、補聴器の場合は聞こえにくい脳を聞こえる脳に変換するために、調節と訓練の時間が必要です。目安として、まず3カ月程度はしっかりつけて細かい調整を繰り返すことで、違和感を払拭していくことができます。補聴器をつけることで、その方の耳の能力がよけいに悪くなることはありません」

加齢とともにどうしても聞こえは落ちていきます。聴力を守るためにできるのは大きな音を長時間浴びるのを避ける、適度な運動と規則正しい生活など全身の健康を維持することぐらいです。今後、より聞こえにくくなりコミュニケーションが困難になる自分の未来が心配でたまりません。