最後はスペイン。かつて不仲説も出た義理の母娘ファッションはいかに……?
スペイン:ソフィア王妃(86歳)とレティシア王妃(52歳)
これは今年の夏、スペイン国王フェリペ6世のご一家とソフィア王妃がご一緒に、マヨルカ島でお過ごしになった時の画像です。
ご存知レティシア王妃といえば、元ジャーナリストで、自立した女性らしいスタイルやお洒落センスに定評がありますが、さらにはお隣にいる人に合わせてテイストをかえる賢さもおもちなんです。
例えば、夫フェリペ6世とご一緒の場合には、ソフトでフェミニンな印象のものを選ばれ、お一人での公務ではシャープでモード感の強いスタイルが多いのです。そしてオフタイムには、華やかかつ動きやすい綺麗めカジュアルスタイルと、実に幅広いスタイルを楽しまれています。
この時には、義理の母ソフィア王妃が鮮やかな朱赤色のトップスに白のパンツ、そして国王も同様にシャツ+パンツというラフなスタイルに合わせて、サマーワンピースをお召しになっていますね。
そんな気遣いのレティシア王妃ですが、実は義理の母ソフィア王妃との不仲説がこれまでに幾度どなく出ているのです……。
なにせソフィア王妃は、父がギリシャ国王と生れながらのプリンセス。2014年に長男へ王位を委ねたあとも、権力は健在? または、幾つになってもハンサムな息子が可愛すぎ? または元ジャーナリストで社会経験が多いレティシア王妃が王室のルールに馴染めない? 真実は定かではありませんが、それぞれのファッションからも強い意志が感じられるし、とにかく育った環境が大きく異なるお二人の関係は、一筋縄ではいかない模様。
しかしながら、そこは賢い義理の嫁レティシア王妃、昨今ではソフィア王妃がかつて愛用されていたお洋服をレティシア王妃が着用される機会が増えているのです。
この赤いワンピースは、2年前にレティシア王妃がお召しになったのですが、元は1980年にソフィア王妃が着用されたもの。
スタンドカラーにパフショルダー、プリーツスカートというクラシックなデザインが素敵で、これが40年以上も前のものには見えません。
正確な年代は不明ですが、恐らく1980年代のソフィア王妃のお姿と思われます。ネックレスやブレスレットなどゴールドのジュエリーをフルアイテムでお着けになり、ウエストには同系色のベルトがアクセントに。靴はワンピースの一色を拾い、赤とベージュのバイカラーのパンプスを選ばれ、色使いやコーディネートも正統派なロイヤルスタイルです。
一方、次世代のレティシア王妃はダウンスタイルのヘアに、ワンピースはシンプルにサラリとお召しになり、ルビーのピアスや赤のパンプスなど、小物も全て赤で合わせたワントーンコーデで現代風のスタイルにアレンジをされました。
ほかにも、ソフィア王妃が1977年にお召しになっていたヴァレンチノのドレスを、2022年に着用されるなど、義理の母のお洋服を受け継がれているレティシア王妃。
これは、ファッションを通して義理の母との関係が良くなった、または良くしようという表れに感じてなりません。
プリンセスとして生まれ、ロイヤルスタイルを熟知するソフィア王妃にとって、自分の愛用ドレスが再び公の場で復活することは嬉しいはず。お洒落に着こなし、国民評判が良ければ、なおさら嬉しいというもの。結果、嫁姑関係も……。
スペイン国内では、義母の洋服を着ることに反対(モダンな洋服を着るべき)のコメンテーターもいるようですが、お洒落なレティシア王妃らしくしっかりご自分に似合うものをチョイスされ、アレンジをされているため私は賛成です。
TPOや周りの人達への配慮、気遣いに長けたレティシア王妃は、ファッションセンスを活かして義理の母との関係すらも、うまく越えていらっしゃるのだと推測します。
なにより私が感動したのは、40年以上も前のソフィア王妃のスタイルが今見ても気品があり、とてもエレガントであることや、レティシア王妃のモダンなアレンジによる着回し。時代を超えても廃れることのないコンサバスタイルは、やっぱり永遠で素敵! と実感しました。
文/にしぐち瑞穂
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