Coco616さんからの質問
Q.
独身女が100歳まで生きるとしたら、老後の資金はどれくらい必要!?

43歳、独身、地方銀行に務めています(正社員)。結婚願望はめちゃくちゃありますが、とくに婚活もしていないので、一人で老後を迎える可能性が高いです。100歳まで生きるとしたら、老後の生活資金はどれくらい必要ですか? 独身ならマンション購入するのと賃貸でいくのとどちらがいいですか? 会社の定年は60歳です。不躾なお願いで恐縮ですが、死ぬまでにかかるお金について、ざっくりとシュミレーションしてもらえませんでしょうか。。。

特別ゲスト 金子稚子さんの回答
A.
お金を貯めることも大事ですが、死ぬときに”ゼロ”の状態にすることも目指してください

面白いご相談ですね(笑)。たしかに今は長寿の時代ですから、100歳まで生きることを視野に入れておくのはとても良いことだと思います。

そこで、2015年の総務省統計局の家計調査報告の数字から一緒に計算してみましょう。

この調査によると、一人暮らしの場合の一カ月の平均支出は、住居費や交際費、税金も含め15万3724円です。これを1年間に換算すると184万4688円。Coco616さんの定年退職年齢は60歳とのことですので、そこから100歳までは40年。そうすると184万4688円×40年=7378万7520円。このように計算すると、退職までに約7400万円のお金を貯める必要があるということになりますね。

とはいっても、Coco616さんの場合、正社員とのことですから退職時は退職金が出ると思います。それがたとえば1000万円だとしたら、7400万-1000万=6400万円。

さらに65歳以降は毎月厚生年金も支給されるようになります。支給額は厚生年金の加入期間や年収によって計算が変わってくるので正確な額は出せませんが、仮に大学を出てすぐ入社し、平均月額給与(年収÷12で計算)が30万円だとすれば、月々72600円の年金が支給されます。100歳まで生きれば、35年間もらえることになりますから、72600円×12ヵ月×35年=3049万2000円。6400万円からさらにこの額を引くと、約3350万円。
ですから単純計算だけでお答えしますと、Coco616さんの場合、退職までに3350万円の貯金をしておけば、100歳まで暮らしていけるということになります。

ただし! 気を付けてほしいのは、これはあくまで生きていくためだけの金額です。娯楽を楽しむという贅沢はできませんし、何よりここには、医療費がほとんど含まれていません(家計調査報告に含まれている医療費は月額8348円)。さらに、介護費用も必要になるかもしれません。日本には高額療養費制度がありますから、公的なサービス内では医療費も介護費用も法外な金額を払わされることはありませんが、それでも歳をとると今より圧倒的に医療費の支出が増える可能性が高いでしょう。また、自分が現役時代に障害を負ったりすると、計画もこの通りにはいかなくなります。そういった老後にかかる医療費のことも自分なりに想定して、その分をプラスした金額の貯金を目指してください。今からでしたら、老後に向けた保険商品の購入などを検討されても良いかと思います。

それからマンションは賃貸か購入かどちらが良いのか、というご質問ですが、私自身は賃貸派です。Coco616さんはまだ43歳。これから人生がどう変化するか分かりません。結婚する可能性も十分にありますし、もしかしたら会社を辞めたくなるかもしれません。どんな変化が起こっても、できるだけフレキシブルに動ける環境に自分の身を置いておくことが大事ではないかなと思うのです。

あと、これは終活ジャーナリストとしての活動を通して思うようになったことなのですが……、お一人でしたら特に、死ぬときに“ゼロ”の状態を目指しませんか?

物をたくさん持っていると、残された人は始末が大変です。とくにマンションのように、分けて相続できないものは、残された人たちの争うタネになりがちです。

自分が死んだ後のことも考える。40代というのは、そういうこともゆっくりと意識し始めなければならない、真の大人になるスタート時期だと私は思っています。

いかがですか?
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PROFILE
  • 金子稚子(かねこわかこ)1967年生まれ。終活ジャーナリスト。終活ナビゲーター。一般社団法人日本医療コーディネーター協会顧問。雑誌、書籍の編集者、広告制作ディレクターの経験を生かし、死の前後に関わるあらゆる情報提供やサポートをおこなう「ライフ・ターミナル・ネットワーク」という活動を創設、代表を務めている。また、医療関係や宗教関係、葬儀関係、生命保険などの各種団体・企業や一般向けにも研修や講演活動もおこなっている。2012年に他界した流通ジャーナリストの金子哲雄氏の妻であり、著書に『金子哲雄の妻の生き方~夫を看取った500日』(小学館文庫)『死後のプロデュース』(PHP新書)『アクティブ・エンディング 大人の「終活」新作法』などがある。 この人の回答一覧を見る
  • 山本 奈緒子1972年生まれ。6年間の会社員生活を経て、フリーライターに。『with』や『VOCE』といった女性誌の他、週刊誌や新聞、WEBマガジンで、インタビュー、女性の生き方、また様々な流行事象分析など、主に“読み物”と言われる分野の記事を手掛ける。 この人の回答一覧を見る