まりさくさんからの質問
Q.
いつかは必ず訪れる家族の死。どう心の準備をすればいい?

両親、兄の4人家族でずっと仲良くやってきたけど、2年前に父が病気をしてから、想像以上に両親を失うことへの恐怖が大きくなった自分に動揺しています。父の病気は治ったのですが、一度知った恐怖は消えません。近い将来この幸せがなくなると思うと、不安でならない。もちろん母もいつかは……。40歳独身ということもあって(兄は既婚)、家族の死に対する恐怖が年々大きくなり、ツライです。

特別ゲスト 金子稚子さんの回答
A.
私自身は夫の死を
”喪失”ではなく”変化”だと受け止めています。

お辛いですよね、本当に。お気持ち、お察しいたします。

少し私自身のお話をさせていただきますと、父は既に他界していますが、母は健在です。その母が、あるときすごく喜んでくれた出来事がありました。それは私がある友人から小さな雛人形の置物をもらった、と報告したときのこと。そのとき初めて知ったのですが、母は、私が40代にして夫を亡くし女一人で生きていかなければならなくなったことを、とても心配に思っていたそう。それで、「ご縁が生まれますように」と、毎年雛人形を出してくれていたのです。でも、母以外にも雛人形を送ってくれるような友人が私にいた、そのことがとても嬉しかったのだそうです。

そんなにも強く私のことを想ってくれている母ですが、それでも私は母との別れがいつか訪れることを怖いとは思っていません。なぜならその想いは、ずっと受け取り続けることができる、と分かっているから。

私がこのように感じるようになったのは、やはり夫との死別を経験したことにあります。“死”というとどうしても喪失だと思ってしまうかもしれませんが、そうではない。私は“変化”だと思っています。身体という実体がなくなるだけで、その人との関係は変わらない。その人からの“想い”は常に自分に注がれていると感じます。だから私はむしろ今のほうが、「強力なサポーターができた」と思っているくらいなのです。

だからまりさくさんが今すべきことは、ご両親が亡くなっても、その想いが切れないような関係を作ることだと思います。そのためには、ご両親の想いをしっかりと受け取り、そして自分の想いもきちんと渡すこと。意識して想いの受け渡しを繰り返すことが大切なのです。今までは照れくさくてなかなかできなかったかもしれませんが、お父様がご病気をされた今こそ、その最大のチャンスだと思いますよ。

“死”というと、どうしても死ぬ瞬間の悲しくドラマチックな印象が強いのですが、その後には長い死別後の時間が待っています。その時間を、喪失感だけを抱えて生きていくのは大変辛いことです。

たとえば海外に離れて暮らしていたとしても、想いがつながっていれば寂しくないもの。相手も自分のことを気にかけているし、自分も相手のことを気にかけている。そして、そのことをお互いわかっている……。そんな関係を構築できれば、“死別”というものに対するイメージもきっと変わってくるのではないかと思います。私のような明るい(?)死別経験者の話を聞いてみてもいいかもしれませんね。様々なユニークなお話が聞けると思いますよ!

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PROFILE
  • 金子稚子(かねこわかこ)1967年生まれ。終活ジャーナリスト。終活ナビゲーター。一般社団法人日本医療コーディネーター協会顧問。雑誌、書籍の編集者、広告制作ディレクターの経験を生かし、死の前後に関わるあらゆる情報提供やサポートをおこなう「ライフ・ターミナル・ネットワーク」という活動を創設、代表を務めている。また、医療関係や宗教関係、葬儀関係、生命保険などの各種団体・企業や一般向けにも研修や講演活動もおこなっている。2012年に他界した流通ジャーナリストの金子哲雄氏の妻であり、著書に『金子哲雄の妻の生き方~夫を看取った500日』(小学館文庫)『死後のプロデュース』(PHP新書)『アクティブ・エンディング 大人の「終活」新作法』などがある。 この人の回答一覧を見る
  • 山本 奈緒子1972年生まれ。6年間の会社員生活を経て、フリーライターに。『with』や『VOCE』といった女性誌の他、週刊誌や新聞、WEBマガジンで、インタビュー、女性の生き方、また様々な流行事象分析など、主に“読み物”と言われる分野の記事を手掛ける。 この人の回答一覧を見る