若返り物質を豊富に含むのは、あのおなじみの野菜だった!
ではそのNMNは、何を食べれば補給できるのでしょうか。肉類や魚介類などには、あまり含まれていません。野菜や果物には比較的多く含まれ、特に枝豆、アボカドにおける含有量は高いと今井教授も指摘しています。
しかし最近になって、実はブロッコリがこのNMNをとりわけ豊富に含んでいるということがわかってきました。
昔からブロッコリは、健康野菜ランキングや、デザイナーフーズなどにおいて上位に位置づけられていました(デザイナーフーズ・プロジェクトは、がん予防に効果のある食品をランキングするアメリカの研究です)。たしかにこの野菜は、ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンC、葉酸、カリウム、鉄、βカロテンなど豊富な栄養素を持ち、がん予防に効果のあるスルフォアランを含んでいることでも知られています。
その栄養素リストに、NMNも追加すべきだということです。ブロッコリが健康野菜として特に脚光を浴びている理由がはっきりとわかり、私としても「ああ、やっぱり!」と納得が深まる思いです。
著者プロフィール
一石英一郎(いちいし えいいちろう)さん
1965 年生まれ。兵庫県出身。医学博士。国際医療福祉大学病院内科学/予防医学センター教授。京都府立医科大学卒業、同大学大学院医学研究科内科学専攻修了。世界の著名ながん研究者が名を連ねる米国癌学会(AACR)の正会員(ActiveMember)。DNAチップ技術を世界でほぼ初めて臨床医学に応用し、論文を発表。人工透析患者の血液の遺伝子レベルでの評価法を開発し、国際特許を取得。長年にわたり、遺伝子の研究をおこなっている。主な著書に『日本人の遺伝子 ヒトゲノム計画からエピジェネティクスまで』(KADOKAWA)『最新の研究でわかった人生を支配する真実 すべて遺伝子のせいだった!?』(アスコム)『「胃」を整えると自然と「不安」が 消えていく』(アチーブメント出版) などがある。
『予防医学の名医が教える すごい野菜の話』
著者:一石英一郎 飛鳥新社 1540円(税込)
遺伝子を研究し、予防医学に取り組んできた医師が、なぜ私たちは野菜を食べるべきなのか、を科学的に解説します。「ジャガイモはニンニクより効率的な万能薬」「ホウレンソウなどに含まれるビタミンCは熱を加えても壊れない」など、野菜にまつわる雑学や新常識が満載。歴史上のエピソードを交えるなど興味をそそる語り口が魅力で、野菜を使った栄養豊富な料理レシピなど実用的な情報も読みごたえがあります。野菜ソムリエの資格を持つ著者の野菜愛が伝わる一冊です。
構成/さくま健太
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