今回のコラムは「45歳からの資産形成」2回目です。前回は、確実に資産形成するためには時間を味方につけることが重要というお話をしました。今回も時間軸に関係する話で、いつから投資を始めれば良いのかというテーマです。
<前回の記事>
「【45歳からの資産形成】“もう遅い”と思っているならそれは間違い!人生100年時代の「時間」との向き合い方」>>
近年、政府はNISA(少額投資非課税制度)など、貯蓄から投資にシフトする政策を行っています。投資にはリスクがつきものですから、むやみに投資することは避けるべきだと思いますが、高齢化が進む中、老後に相応のお金が必要であることや、十分な額の年金がもらえなくなっている現状を考えると、貯蓄の一定割合を投資に回し、長期的な資産形成を行うことは重要であると筆者は考えます。
こうした状況から、投資を始めてみようか、という人も増えているわけですが、よく聞かれるのが「いつ投資を始めたらよいのでしょうか」という質問です。この質問に対して筆者は、いつもこのように答えています。「無理をする必要は全くありませんが、可能であるならば、今日から始めてはいかがでしょうか」。
このように答えると、多くの人が驚いた顔をするのですが、これから説明する内容を読んでいただければ、この話には合理性があることがお分かりいただけると思います。
前回のコラムでは、株価がいつ上がったり下がったりするのかは誰にも予測できない、という大前提に立つ必要があるというお話をしました。一方で株というのは、上がったり下がったりを繰り返しながらも、長期的には企業の業績が拡大している限り、株価は上がっていくものです。これを国全体の経済に当てはめても同じで、日本は成長が鈍化しているとはいえ、それでも少しずつですが経済規模は拡大していますから、長期的に見れば株価というのは上がっていく方向性にあります。
しかしながら、来年、株価が1.5倍になるかもしれませんし、逆に3割、株価が下がってしまうかもしれません。こうした上下変動を繰り返しながら、長い期間、投資を続けていくと収支はプラスになる可能性が高いということが予見できるという話です。
そうなると、投資で成功するためには、できるだけ長い期間投資を続けることが大事であり、短期的な結果は追い求めない方がよいとの結論になると思います。例えば、今、40歳の人が20年ぐらいの期間を見ておけば、今の会社を退職する頃までには投資で相応の結果が出ていることになりますから、ちょうど良い時間軸ととらえてよいでしょう。
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