ちゃんみなが放っておけなかった理由
クリエイティブ審査でのちゃんみなのASHAへの熱量は他とは違うものもありました。ただ一人だけ、ちゃんみなが個別に連絡を取ったのです。ちゃんみなの希望で行われた緊急ミーティングでは、「ASHAの今の歌い方だと寿命が短い気がする。声帯的にも負担がかかるし元の声をだいぶ変えちゃってるから、元の声がすごくステキだからあんまり毛をはやし過ぎず。期待してるからこそやってみてほしい」と伝えました。
また、レコーディングでは、基本的にどの候補者に対しても「いいじゃん」「その調子」という感じだったのですが、ASHAにだけは猛指導。ASHAの歌い方を聞き、「歌詞が何言ってるか全然わかんない」と指摘、英語の発音を何度も繰り返しレクチャー(ちゃんみなはトリリンガルで英語もペラペラ)。「意味をちゃんと伝えるのは最低ライン。発音できないんだったら別の単語に切り替えないといけない」とかなり手厳しいコメントも。
ASHAはラップに対して自信があっただけに、全然できていないことがわかってラッパーに向いていないんじゃないかと不安になったと口にしながらも、食らいついて、本番では発音や発声はかなり改善していました。
そして迎えた結果発表、やはり評価コメントの分量もASHAがぶっちぎりだったように思います。ここまで熱が入ってしまうのは、ASHAが昔のちゃんみなに似ているからだったと言います。
ちゃんみなはASHAにこう問いかけました。
「間違ってたら言ってほしいんだけど、自由を求めてると思うの。私の表現、自分の表現何が悪いの? って。私がやりたいことやるし私は自由に自分を表現する。って思ってると思うんだけど、そうかな?」
それに対して、ASHAはこう答えました。
「今この歌い方を辞めたら自分の個性とか魅力が分からなくなって、空っぽになるのが、それもわかってたのでそこから目を離しててずっとパフォーマンスを続けてきてたんですけど、今はありのままのそのままの自分でよかったんだなって思えているので、そこでさらに自由な自分らしいパフォーマンスをしていきたいなっていうふうに思ってます」
「個性が強いから受からない」は本当?
ASHAは6年間大手事務所で契約生として活動していましたが、事務所側から「低音ラップは受けない」と言われ、「自分の個性を大事にすると言ってたけど何も大事にされてないなって思ってた」と振り返ります。
NoNoGirlsには色んなNoと言われた体験を持った子が集まっていますが、もちろんとびぬけた実力があっても見た目などでNoと言われたという自分ではどうしようもない場合もある一方、「個性がある子はダメと言われた」みたいな場合もあって、そういう場合、本当にズバ抜けたスキルや実力があったとしたらYESになっていたんじゃないか、とも思うんです。ASHAの場合も、低音ラップ自体が否定されたというより、ズバ抜けた実力がまだなかったという可能性もあるように思います。
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