大倉孝二さんも、実は役者を辞めたがっていた

「好きなことで、生きていく」が正解とは限らない。芸能界のトップランナーたちが教えてくれた「二番目にやりたい仕事がちょうどいい」_img0
 

もう一人が、俳優の大倉孝二さん。大倉さんはバイプレイヤーとして数々の人気作に出演する大人気俳優ですが、インタビューでは次のように答えています。

「もうかれこれ100回以上、役者辞めたいって思ってます」

「面白いものを作る現場を見てみたいというのがこの世界に入ったきっかけで、表方でも裏方でもよかったんです。でも役者を続けているうちにこれが仕事になって、今の時点では必要とされている。だったら必要とされているうちは、精一杯応えたい」
——「僕、何も取り柄がないんです」と語る大倉孝二が、役者を続けるワケとは？（東京カレンダー）
「昔から今までずっと仕事は楽しくないし、『辞めたい』と思ってるんですけどね（笑）。やればやるほど、自分ができないことを実感させられる職業ですから」
——25年出演し続ける男・大倉孝二、“バイプレイヤー”の苦悩語るも「主役願望ない」（ORICON NEWS）

大倉さんも、何が何でも俳優がやりたかった、というわけではないようです。辞めたいと100回以上思ったことがあるなんてかなり意外ですよね。

 

やはり、紹介した方たちに共通するのは、「何が何でもこの仕事がやりたい！」と重心をかけすぎることなく、ほどよく力が抜けているところ（もちろん、いろいろおっしゃりながらもみなさん一流のプロですから、裏でものすごく努力していらっしゃるのだと思いますが）。

この道しかない、という気持ちは、自分を強く支えてくれるものにもなり得る一方、上手くいかないときに追い詰められる原因にもなる。また、中川家が言うように、理想や期待が大きすぎると、思ったのと違う現実に直面したとき、落胆も大きくなってしまうのかもしれません。

「好き」だからこそ「嫌いになる」リスクがある