nemoneさんからの質問
Q.
親権の取り方、養育費のもらい方など、離婚知識を授けてください。 

4歳の子供がいます。夫は「自分が家計を支えているから」という理由で支配的になり、セックスを強要するなど、私の人生を尊重してくれないことが多くなり、離婚を視野に入れています。私は派遣で働いているので、経済力をつけるのが一番の課題だと思っています。それから親権は絶対に取りたいのと、養育費ももらいたいので、そのために準備しておくべきことを知りたいです。また家を買う場合、ローンが組める手段があるのかも気になります。(41歳)

特別ゲスト 原口未緒先生の回答
A.
子供を頻繁に会わせ、頼るべきところは頼る。 そのようにして父親の立場を尊重してあげることが鍵です

離婚後の生活について、具体的に考えていらっしゃるのですね。ここまで決心されているなら、できるだけ早く手続きを進められるのが良いかと思います。

まずご懸念の親権ですが、これはお子さんと一緒にいた時間が長い親が優先される傾向にありますので、現在、nemoneさんが主にお子さんの面倒を見ていて一緒に過ごしている時間も多いなら、ご心配はいりませんよ。

それから養育費。まずは離婚協議の中で、夫としっかり話し合い額などを取り決められることが必要不可欠です。ここで上手く折り合いがつかなかった場合……、たとえば夫が「絶対払わない!」などと言い張った場合は、離婚調停で話し合うことになります。もしそれでも決まらなければ、離婚訴訟で裁判官に決めてもらうことになります。

……ですが、残念ながらこうしてきちんと決めたにもかかわらず、養育費に関しては、8割の父親が支払わなくなっている、というのが現状のようなのです。私は、その一番の理由は、離婚後、お父さん側に“子供を一緒に育てている”という実感がなくなってしまうことがあると思っています。お子さんに会えないことで愛情が薄れ、ただお金だけを取られているような感覚に陥ってしまうのでしょうね。ですから養育費をきちんと支払い続けてもらうためには、お子さんとの面会や接触の機会を多く取ったり、頼れるところはお父さんに頼るなど、父親としての役割や立場を尊重してあげるといいのかな、と思います。夫婦の関係と親子の関係は別、このことを忘れないようにしてください。

念のためですが、それでも養育費を支払ってくれなくなったときのことについてもお伝えしておきます。もし調停離婚をされているなら、家庭裁判所に申し立てをして、養育費を支払うように、家庭裁判所から通知(履行勧告)をしてもらうことができます。また夫がサラリーマンで、かつ協議離婚で公正証書を作成している場合や、家庭裁判所から履行勧告しても支払ってくれない場合には、地方裁判所に申し立てをして、給料の差し押さえ命令を発令してもらいましょう。これをすれば、裁判所から元夫の会社に連絡がいき、給料から直接養育費を差し引いて振り込んでもらうことができるのです!

このように相手がサラリーマンの場合は、会社にそんな連絡がくると恥ずかしいので、養育費を支払わなくなることは少ないのですが、相手が自営業の場合は追いかけるのが難しいのが現実です……。そうならないためにも、夫にお子さんを会わせないようにしたりせず、「離婚はしたけど妻子には幸せになってもらいたい」と思ってもらえるような関係性を作ることが、私は何よりも大事だと思っています。

それから「家を買うローンを組めるか」というご質問ですが、残念ながら恐らく組めないかと思われます。経済力のないシングルマザーの場合は、やはりご実家に戻られるのが一番オススメです。家賃がかかりませんし、働き出す際にお子さんの面倒を見てもらえますし、心強さは計り知れません。

もしご実家に頼れない状況でしたら、母子用の公営住宅へ入居されるのがオススメです。一般の物件より家賃が安いですし、敷金礼金が免除されていますから。ただし母子用公営住宅は、離婚が成立して初めて入居応募に申し込みができるので、それまでは実家なり一般の賃貸物件なり、住む場所が必要になるということを覚えておいてください。

一般の賃貸物件は、お子さんと住む広さを求めると家賃が高くなりますし、仕事のない母子家庭には貸したがらない家主もいたりと、意外と厳しいもの。だからこそ収入を増やしたいけれど、しっかり働くためにはお子さんを預けなければならない……。こういったことを考えても、やはり実家はベストなのです。

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PROFILE
  • 原口未緒(はらぐちみお)1975年生まれ。弁護士。学習院大学法学部卒業。2004年に弁護士登録。民事、商事、家事、刑事、倒産処理、債務整理など様々な案件を担当した後、2010年に「未緒法律事務所」を開所。夫婦、離婚案件を主に扱っている。法的な解決策を提案するだけでなく、コーチング、カウンセリング、セラピー手法を取り入れ、「心のケアもする弁護士」として人気がある。著書に『こじらせない離婚 「この結婚もうムリ」と思ったら読む本』(ダイヤモンド社)がある。自身は3度の離婚を経て、現在4度目の結婚をし第一子を妊娠中。 この人の回答一覧を見る
  • 山本 奈緒子1972年生まれ。6年間の会社員生活を経て、フリーライターに。『with』や『VOCE』といった女性誌の他、週刊誌や新聞、WEBマガジンで、インタビュー、女性の生き方、また様々な流行事象分析など、主に“読み物”と言われる分野の記事を手掛ける。 この人の回答一覧を見る