肌寒くなってくるこの季節、韓国では「キムジャン」といって一斉にキムチづくりが行われます。ニュースで各家庭のキムチづくりなどが特集されるなど、毎年の風物詩となっているのです。韓国ではこの季節に大量にキムチを漬けて、各家庭にあるキムチ冷蔵庫に保管(韓国の家電量販店にはキムチ用の冷蔵庫が売っているんですよ!)。とはいえ、都市部ではキムチづくりを各家庭がやるわけでもなく、特に若い世帯は買ってすませている場合が多いようですが…日本でも昔は各家庭で当然のように梅干しや漬け物を作っていましたので、それと同じようなことなのでしょうね。
日本でもおなじみの漬け物になっているキムチ、どうやって作られるのかを簡単にご紹介します。教えてくださったのは韓国料理教室「韓サモ」のキム・ヨンジュンさん。
まずは白菜を塩漬けすることから始まります。白菜を四等分などにして、それぞれの葉の間に塩をすり込みます。
これをビニール袋などに入れて空気を抜き、2時間ほどの浅漬けに。この間にキムチの味のベースになるキムチソクと呼ばれる漬け種を作ります。この配合によって各家庭の味になるのですが、基本的にはコチュカルと言われる唐辛子の粉、ニンニク、生姜、ねぎ、大根や人参の千切り、オキアミの塩漬けやカナリエキスやミョルチエキスと呼ばれる魚醤のようなものなどを混ぜておきます。オキアミやカナリエキスは韓国食材店で手に入ります。
白菜が漬かったら水洗いをして、キムチソクを葉の一枚一枚の間に丁寧に入れていきます。素手で作業をすると唐辛子で手が痛くなるので、手袋をして作業します。
こうしてペチュキムチ、いわゆる白菜キムチの出来上がり! 冷蔵庫に保管しておけば1〜2カ月は美味しくいただけます。
他にもキュウリで作るオイキムチ、大根で作るカクテキなど種類は色々。韓国にはエゴマの葉を漬けたケンニプキムチや野沢菜を漬けたキムチなどさまざまなバリエーションがあります。興味がある方は試してみてくださいね。ちなみに時間が経って古漬けになったキムチは、豚キムチなどの炒め物にすると酸味も和らいで美味しく最後まで食べられますよ!
キム・ヨンジュンさんにもっと詳しくレクチャーしてもらいたい! そんな方は韓国料理教室へGO!
PROFILE
畑 乃野子/フリーエディター・ライター。出版社勤務の後韓国へ留学し、韓国取材、翻訳、インタビューなどをこなす。