これからどんどん寒くなり、お風呂の恋しい季節に。普段何気なく入っているお風呂ですが、入る時間や方法を知れば疲れをとったり、冷えを改善したりと気軽に体のケアができる場所でもあるんです。漢方やお風呂に詳しい(株)バスクリンの広報で温泉入浴指導員、睡眠改善インストラクターの資格を持つ石川泰弘さんにお話を伺いました。
年齢を重ねた女性が注意したい、「未病」とは?
未病という言葉をご存じですか? 年齢を重ねると血行機能や循環機能が低下し、自律神経のバランスが不安定になるなど、複数の要因が重なって血流量や代謝が低下。そのため疲れが取れず「なんとなく調子が悪い=未病」という状態に。こういった不調を改善するのに手軽で、かつ効果的なのが入浴なのです。
「未病」を防ぐ、入浴の二大効果
効果① 体内の老廃物を押し流し、疲れが取れる
体を温めると疲れが取れるのは本当。温熱作用により皮膚の毛細血管や皮下の血管が広がり、血流が良くなります。これにより体内の老廃物や疲労物質を押し流し、コリがほぐれたり、疲れが取れるなどの効果が。
効果② 自律神経が整い、内臓の働きが良くなる
入浴には自律神経をコントロールする効果もあり、内臓の働きを良くすることも。また水圧によって血の循環が促されたり、お湯に浸かることで浮力が働き、筋肉や関節のストレスが解放されてリラックスします。
39℃くらいのぬるめのお風呂+入浴剤で未病を防ぐ!
熱いお風呂に入るよりも、39度くらいのぬるめのお風呂に入る方が冷めにくく、また副交感神経が優位になってリラックスすることができます。また温浴効果を高めるのに生薬の力を借りるのも有効。例えば体を温めるショウキョウやチンピ、血行促進を助けるトウキなどが代表的。入浴剤を入れたぬるめのお風呂に10分入浴、これが未病を防ぐセルフメディケーションタイムに!
眠れない…は未病のもと。
「よく眠る」ための入浴法を聞いてみた
冬になって体が冷えると、寝付きが悪くなることがありませんか? 良い眠りのためには体温の低下が必要なのですが、手足が冷たいままだと熱の放出がうまく行かず、寝付けなくなるのです。これに効果的なのが就寝前の入浴。だいたい就寝1時間ぐらい前にお風呂から出ると体温の低下がうまくいき、深い眠りに入りやすく、翌日には疲れが取れて目覚めも良くなります。
眠りが浅い、体調がイマイチすぐれない、手足が冷える。年齢を重ねると起こりやすくなるさまざまな身体の不調「未病」を、毎日のお風呂で少しでも改善できるといいですね!
PROFILE
畑 乃野子/フリーエディター・ライター。出版社勤務の後韓国へ留学し、韓国取材、翻訳、インタビューなどをこなす。