こんにちは、ミモレの川端です。
本のご紹介、久しぶりになってしまいました。
最近読んで面白かったのはこの2冊。
唐突ですが、ミステリーとサスペンスの違いわかりますか? 分類には諸説あるようなのですが、ざっくり言うと「謎解きを楽しむのがミステリー」、「ハラハラを楽しむのがサスペンス」。
ミステリーの方が歴史が古く、『刑事コロンボ』や『古畑任三郎』のように最初に犯人がわかっていて、追い詰められるハラハラを楽しむサスペンスタイプの刑事ものは近代に入ってからのようです。(見る人の緊張感を冒頭から最後まで保てるのでテレビドラマ向き、と言うことかもしれませんね)
この『沈黙法廷』は、ミステリーでもありサスペンスでもあり、警察小説でもあり法廷小説でもあります。
帯に「連続する不審死。捜査線上に浮上したのは、家事代行業の女性。」とあって、読む前に犯人がわかってしまう。前半は逮捕されるまでが描かれ、後半は法廷劇へ。
古畑任三郎やコロンボは、いずれも犯人が魅力的なところがポイントで、見る側はだんだん犯人の味方になり「う〜、バレる〜」とヒヤヒヤするところにあります。『沈黙法廷』の被告・山本美紀(30歳)は、魅力的とは言い難く、暗くて何を考えているのかわからない。
後半、山本美紀のこれまでの人生が明らかになり、一転、彼女へ寄り添う気持ちが生まれてきます。最後はボロボロと涙。。。
かなり分厚くて重厚ですが、ぜひゆっくりと味わってください。


次回は少しアカデミックなノンフィクションをご紹介したいと思っています。
ではでは、また〜。
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