tamajiさんからの質問
Q.
妹が子供を置いて家を出たのですが、離婚して親権も取りたいようです。 

妹の夫は、会社を辞めて半年ほどブラブラ過ごしてから就職し……ということを、結婚生活13年の間に4回繰り返しています。やめるよう言っても聞かず、無職の間は妹のパート収入のみで暮らすという不安定な状態があったので、とうとう離婚を切り出しました。子供が2人(13歳と8歳)いるため我慢していましたが、妹は二人を連れて出る決意でした。が、夫側は子供と離れたくないと言い、話し合いが進まず妹の心身が疲れ果ててしまったため、子供たちを置いて実家に戻ってきました。すると、別居前は「やり直したい」と言っていた夫が、「子供を置いて勝手に出て行った悪妻」と罵るように。妹の意志は変わらず、離婚届にサインしてもらって親権をとりたいと望んでいます。対策を教えてください。
その他の事情は下記に箇条書きにします。
*いわゆるできちゃった婚で、なし崩し的に始まった結婚生活
*妹に一言の相談もなく、自分の両親との同居を決め引越しする(老いた両親が心配とのことだったが、実際の家事や病院の送り迎えなど全て妹の負担)
*低収入の飲食店勤務にもかかわらず、貯金の見通しもないまま自分で飲食店を開業したいと勝手に仕事を辞める(資格は何も持っていない)
*夫の父は死去し、母のみ同居。そのため母に子供を預けられるので、子供を引き取ることに不安がない。今までは子供の習い事や学校の送り迎えなどには一切参加していない。

特別ゲスト 原口未緒先生の回答
A.
離婚届にサインして置いて行ったなら不受理届を提出すること、 そして子供さんも連れて行かれること、これをまずおこなってください!

状況、理解いたしました。そこでまず2点、アドバイスをさせてください。

離婚届にサインをしてもらって親権を取りたい、とのことですが、家を出て行かれるときに、自分がサインをした離婚届を夫に渡されてはいないですよね? 離婚届には親権者を書く欄があります。夫がそこに自分の名前を書いて提出してしまうと、親権は夫のものになってしまいますから。そうなった場合、親権を取り返そうと思ってもほぼ100%勝てないのです。私も過去に2回、親権者変更の裁判を担当しましたが、どうしても無理でしたね……。虐待とか親としての不適格性を証明できない限り、変更は認められないのです。もしも離婚届にサインをして置いてきているなら、今すぐ住民票か本籍地のある役所に不受理届けを出されてください!

サインをされていないなら大丈夫ですが、いずれにして親権を取りたいのでしたら、お子さんを連れて出られることが、まず一番にやるべきことです。上のお子さんはもう13歳とのことですから、自我も芽生えていることでしょう。ですから連れて出られる際は、ちゃんと説明することが必要だと思います。なぜ自分が離婚したいのか、これからどうしたいと思っているか、そしてそのために協力してほしい、ということも伝えてください。そうすれば、上のお子さんから下のお子さんにも伝えてくれ、理解を得られやすくなると思いますよ。

夫との話し合いに向けて動き出すのは、この2つをおこなってからですね。

ただ、だからといって離婚ができるかというと、残念ながら問題はまた別です。離婚が認められるのは、浮気、暴力、そして別居期間が一定期間ある、この3つなのです。逆にこれ以外はグレーゾーンで、なかなか難しいものがある……。妹さんの夫は離婚に応じない姿勢のようですから、最低でも3、4年の別居が必要になることでしょう。ですからその間は生活費だけはきちんともらって、お子様との生活を整えられることをオススメいたします。

ただ妹さんの夫は家族がいても好き勝手しているようですから、子供まで出て行ったら、もっと働かなくなってしまうかもしれませんね。ないところからお金は取れませんので、そうなるとお姉さんやご両親のサポートが必要になるかと思います。離婚が成立して養育費や母子手当を受けられるようになるまで、どうか妹さんを支えてあげられてください。

いかがですか?
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PROFILE
  • 原口未緒(はらぐちみお)1975年生まれ。弁護士。学習院大学法学部卒業。2004年に弁護士登録。民事、商事、家事、刑事、倒産処理、債務整理など様々な案件を担当した後、2010年に「未緒法律事務所」を開所。夫婦、離婚案件を主に扱っている。法的な解決策を提案するだけでなく、コーチング、カウンセリング、セラピー手法を取り入れ、「心のケアもする弁護士」として人気がある。著書に『「この結婚もうムリ」と思ったら読む本 こじらせない離婚』(ダイヤモンド社)がある。自身は3度の離婚を経て、現在4度目の結婚をし、第一子をもうける。 この人の回答一覧を見る
  • 山本 奈緒子1972年生まれ。6年間の会社員生活を経て、フリーライターに。『with』や『VOCE』といった女性誌の他、週刊誌や新聞、WEBマガジンで、インタビュー、女性の生き方、また様々な流行事象分析など、主に“読み物”と言われる分野の記事を手掛ける。 この人の回答一覧を見る