えりざべすさんからの質問
Q.
娘と頻繁に会えること、またマンションを娘が相続すること。 私が希望する離婚条件はそれだけです。

結婚19年目、離婚を考えている47歳です。16才の娘が一人います。私は正社員で働いていますが、年収400万円程度。娘と一緒に住んで私立校の授業料を払っていくのは厳しいので、私だけが家を出ようと思っています。その際、娘の大学費用として貯めたお金の管理をどうすれば良いものでしょうか? 主人は今までノータッチだったので不安です。主人名義のマンションは、ローンが10年残っていますが、売却してローンを完済することは考えておらず、いずれは娘の名義にしてほしいと思っています。たいした貯金もないので、私は引っ越し費用だけ貰い、しばらくは近所に住んで娘と頻繁に会えればそれでいい。これが希望条件です。
主人はここ2年程、露骨に私に無関心。乳癌の細胞診まで受けたのに、「どうした」のひと言もなし。共働きなのに家事はまったくしてくれず、目眩で休んでいても平気で出かける。私はお金を稼ぐ家政婦です。もう自由になりたいのです。娘を出産以来セックスレスですし、主人には好都合かもしれませんが。注意する点は有りますか?

特別ゲスト 原口未緒先生の回答
A.
別居しても養育費をもらえますし、貯金も持って出て行けばいい。 娘さんと離れる必要は全くありませんよ。

えりざべすさんはご自身の収入が少ないことで、娘さんと一緒に暮らせないと思っていらっしゃるようですが、そんなことはまったくありませんよ。授業料は一緒に住んでいる親が出さなければならないものではありませんから、夫に出してもらってください。しかもお悩みをお聞きしていると、夫はお金の管理にはノータッチのこと。尚さら、夫に任せるのは危ないと思います。

そもそも、夫婦で貯めた財産というのは二人のものです。だから貯金を持って家を出て行ってもかまいません。極端な話、全額持って出て行ってもいいのです。一応、正式に離婚となった暁には返さなければいけませんが、何だかんだ、慰謝料や生活費の清算もあって返さなくて済んでいるケースがほとんどです。

マンションも、現在の査定価格から残りのローン額を引いて、その半分を現金にしてもらうことができますよ。もし娘さんに確実に引き継がせたいということでしたら、反対にご主人に現金を支払って、ご自分でマンションをもらってしまったほうがいいでかもしれませんね。

いずれにしても、えりざべすさんの希望条件は、法的にすべて叶えられると思いますよ。夫がきちんと仕事もしていて、かつ家計を握っていないというのは、むしろ離婚環境としては恵まれているほうだと思います。ちなみに一番困るのは、夫に稼ぎがなく家とローンだけがある、という場合ですね。現金がないので、お金がほとんど取れないのです。

このような知識を踏まえたうえで、もう一度どうしたいか考え直されてください。お金を持って出て行けるとなると、希望条件大きく変わってくることと思いますから。

ただ、お悩みを伺っていて気になったのですが……、お金や家など、夫と物理的に離れたからといって、心まで自由になれるものではありませんよ。もしかしたらえりざべすさんは、奥底では、夫に関心を持ってもらいたいと思っているのではないでしょうか……? 私のもとには、結婚20年ぐらいで、夫の無関心から「離婚をしたい」と相談に来られる方は多くいらっしゃいます。たしかに結婚20年にして妻から離婚を切り出されれば夫はビックリしますし、ここまで結婚生活を続けた以上、男性は別れたがらないものです。皆、そういった反応をどこかで期待されているのですよ。

えりざべすさんも、離婚したい本当の理由は寂しいからではないでしょうか? それで娘を置いてでも、とにかく夫と離れたがっているのでは……? ならば、まだ47歳とお若いので、自分に関心を持ってくれる彼を見つけることも一つの手だと思います。心の溝が埋まれば、もう少し冷静に離婚の判断ができるようになるかもしれませんし。ちなみに別居後で夫婦関係もすでに破たんしているなら、別の男性とお付き合いをしても違法性はありませんから、離婚調停で不利になる心配もありませんよ。

私には、えりざべすさんがとても寂しそうに感じられたのです。だから何よりも今は、心の溝を埋めることをしてほしいと思います。そのほうが、今後の離婚条件も見誤らないのではないかと思います。

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PROFILE
  • 原口未緒(はらぐちみお)1975年生まれ。弁護士。学習院大学法学部卒業。2004年に弁護士登録。民事、商事、家事、刑事、倒産処理、債務整理など様々な案件を担当した後、2010年に「未緒法律事務所」を開所。夫婦、離婚案件を主に扱っている。法的な解決策を提案するだけでなく、コーチング、カウンセリング、セラピー手法を取り入れ、「心のケアもする弁護士」として人気がある。著書に『「この結婚もうムリ」と思ったら読む本 こじらせない離婚』(ダイヤモンド社)がある。自身は3度の離婚を経て、現在4度目の結婚をし、第一子をもうける。 この人の回答一覧を見る
  • 山本 奈緒子1972年生まれ。6年間の会社員生活を経て、フリーライターに。『with』や『VOCE』といった女性誌の他、週刊誌や新聞、WEBマガジンで、インタビュー、女性の生き方、また様々な流行事象分析など、主に“読み物”と言われる分野の記事を手掛ける。 この人の回答一覧を見る